連載:プロも注目!センバツ有力校の看板コンビたち

エースナンバーを争う明豊・京本×太田 先輩たちに「日本一」の吉報を届けたい

加来慶祐
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明豊のダブルエース京本眞(写真左)と太田虎次朗。大会中止に涙を飲んだ先輩たちへの思いも語ってもらった 【撮影:加来慶祐】

 秋の九州大会で4強入りし、今春では唯一となる3年連続のセンバツ出場を決めた明豊。2001年夏の甲子園初登場8強進出以来、常に強打のイメージがつく九州の雄だが、今年のチームは安定した投手力で甲子園切符をつかんでいる。中でも軸としてチームを支えたのが、右の京本眞、左の太田虎次朗というダブルエースだ。

お互いの第一印象は「エグい!」

昨年夏の交流試合は甲子園のスタンドでライバル・太田の姿を見つめていた京本。「今年は自分が」という思いが強い 【撮影:加来慶祐】

――センバツ開幕を目前に控えた現在の状態を教えてください。

京本 ひと冬を越え、変化球のキレに成長を実感しています。143キロのストレート、カーブ、チェンジアップ、スライダー、フォークと、全球種がカウント球でも勝負球としても使えるレベルまでになってきました。1年冬に「プロ野球選手になるために」と思い切って着手した、足を大きく振り上げるフォームも体幹の強化によって安定感を増しています。以前は「高く上げよう」と意識して上げていたものが、最近では無意識に上げることができています。

太田 チェンジアップが良くなってきました。とくに低めへ決める制球力が精度を増してきた感があります。秋は県選手権(新人戦)決勝、九州大会準決勝で敗れましたが、いずれの試合も自分が決勝点を奪われています。気持ちのコントロールが難しかった部分もあるので、現在はメンタル面の強化も視野に入れながら、長い回を投げられるように状態を上げている最中です。現時点では大きく取り残されている京本に追いつき、エースナンバーを奪いたいです。

――入学した当初からふたりは「未来のエース」として期待されていました。お互いに最初の印象を覚えていますか?

太田 入学した時から、京本の名前は聞いていました。寮の前で初めて京本とキャッチボールをした時のこともよく覚えています。綺麗な球筋で伸びてくるボールに「エグっ!」と思いました。硬式球も完全に自分のモノにしていたし「やっぱりコイツはすごいな」と思いました。

京本 太田の方がエグかったですよ。お兄さんはプロ野球選手(巨人の太田龍)だし、軟式出身(宮之城中/鹿児島県)とはいえ、とにかくスピードがあったので。すでに135キロぐらい出ていたし、球質を見ても威力と伸びが違いましたね。自分が今まで見てきたどのピッチャーよりもずぬけていたと思います。

太田 自分は京本から「すごいやん」を連発されましたけど、内心は「お前の方がすごいわ!」と思いながらキャッチボールをしていました。

京本 ふたりで遠投をすると、太田から『ナイスボール! めっちゃ伸びているよ』と言われるんですけど、自分も心の中で「お前の方が伸びてるわ!」とツッコんでいます。本当のナイスボールが伸びてきますから。
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著者プロフィール

1976年大分県竹田市生まれ。東京での出版社勤務で雑誌編集などを経験した後、フリーランスライターとして独立。2006年から故郷の大分県竹田市に在住し、九州・沖縄を主なフィールドに取材・執筆を続けているスポーツライター。高校野球やドラフト関連を中心とするアマチュア野球、プロ野球を主分野としており、甲子園大会やWBC日本代表や各年代の侍ジャパン、国体、インターハイなどの取材経験がある。2016年に自著「先駆ける者〜九州・沖縄の高校野球 次代を担う8人の指導者〜」(日刊スポーツ出版社)を出版した。

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