連載:プロも注目!センバツ有力校の看板コンビたち

初戦へ闘志を燃やす智弁学園の中軸コンビ 「まぐれで桐蔭に勝った」と言わせない!

沢井史
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智弁学園の山下陽輔主将(左)と前川右京。初戦の大阪桐蔭戦で絶対に勝たないといけない理由とは? 【撮影:沢井史】

 昨秋の近畿大会王者として今春のセンバツに挑む智弁学園。初戦での対戦相手がその近畿大会決勝で戦った大阪桐蔭に決まり、初戦屈指の好カードとして注目される。昨秋は智弁学園が7-3で勝利し、公式戦で初めて大阪桐蔭から白星を挙げたが、実はこのセンバツでも大阪桐蔭にどうしても勝ちたい理由があるという。2016年以来、チームとして2度目の日本一を目指すセンバツを前に、名門の中軸コンビ、山下陽輔と前川右京が意気込みを語った。

「秋で満足してはいけない」

冬に取り組んだチームの課題修正について冷静に振り返る山下主将 【撮影:沢井史】

――この冬の練習では、どんなことをテーマにして取り組んできたのですか?

前川 冬場は練習試合もなく、土日は1日中練習ができるので、時間を有効に使って、無駄のない練習をしてきました。秋は課題だらけだったので、それを少しでもなくして長所をしっかり伸ばせるようにやってきました。

――課題は具体的に言うと?

前川 バッティングですが、(相手に)捕られる確率だったり、2ストライクから粘り強く打てるかだったり。(昨秋の大会は)守備や走塁で消極的なことがあったので……。しっかりバットを振り切ることも考えて、毎日バットを振ってきました。野球脳を全開に働かせて、野球漬けの冬を送れたと思います。

――先ほど、フリー打撃では右翼に大きな当たりを放っていましたね。

前川 はい。でも打球は詰まっていたので……。(ネットを越えられなかったのは)まだまだ自分に甘い部分がある。もっと詰めていく部分が多いです。

山下 自分は冬場の練習では守備とパワーアップに取り組みました。特に守備は奈良大会でエラーが多かったので、守備力の安定がテーマでした。パワーアップというのは、具体的には体幹を鍛えることも含めてです。そのおかげで下半身が大きくなったと思います。

――秋は強力打線が目立った試合が多く、「智弁=強力打線」というイメージが定着していましたが、その中でも課題が多かったということですね。

前川 自分は、1打席目で打てないと次の打席からどうしても下を向いてしまうことが多かったです。でも、1打席目で打てなかった時こそ、2打席目、3打席目を大事にしようと思うようになりました。どれだけ打てなかったとしても、初心に戻れるかも大事。全打席で打てなかったとしても、確率を上げることを考えるようにしています。

――山下主将はチーム全体を見て、チームの仕上がり具合をどう見ていますか?

山下 冬の期間で個人能力のアップはできても、チーム全体としての動きはまだまだなので、2月末からの実戦練習では、そういった試合の中での細かい感覚を見直すようにしています。全体的には、みんな秋よりは自主的に動けるようになったように見えます。昨秋の近畿大会ではうまくいったから、今もうまくいくとは限らない。全国大会の相手で、しかも相手は秋よりさらにレベルが上がっているので、秋で満足してはいけないし、自分たちはもっともっとレベルを上げていかないといけないと思ってきました。

ライバル・山下が打つと前川も「燃える」

1年時から甲子園で活躍した前川。新3年として迎えるセンバツは「本気で勝ちに行く」と主力の自覚十分だ 【写真は共同】

――前川選手は1年夏に大観衆の甲子園を経験しています(対八戸学院光星戦)。今となってみれば、試合などを通して生きているなと思うことはどんなことですか?

前川 甲子園では、今までにない大観衆の中でプレーできましたが、あの時は堂々とできなかったというか、試合にちゃんと入りきれなかったことを覚えています。どんな場面でも堂々として、来た球を迷わずにしっかり振り抜くことが大事だと思わされました。ウジウジしていたらみっともないし、練習して自信をつけることが大事だと思いました。

――昨夏の甲子園の交流試合は無観客でしたが、大きな違いは?
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著者プロフィール

大阪市在住。『報知高校野球』をはじめ『ホームラン』『ベースボールマガジン』などに寄稿。西日本、北信越を中心に取材活動を続けている。

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