連載:プロも注目!センバツ有力校の看板コンビたち

注目度ナンバーワンバッテリーの深い絆 市和歌山・小園×松川はコンビ結成6年目 

沢井史
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中学1年生からバッテリーを組む小園健太投手(左)と松川虎生捕手は、本気で日本一を狙う 【撮影:沢井史】

 今春センバツで最も注目度の高いバッテリーと言ってもいい。最速152キロのストレートがどうしても見出しになる市和歌山のエース・小園健太だが、実はカットボール、ツーシームといった多彩な変化球を器用な指先を絶妙に使って操る投球術も高校生離れしている。ここに今春からは新球も加わった。中学時代からバッテリーを組む松川虎生と強い絆で結ばれた2人は、互いの能力を認め合い、切磋琢磨(せっさたくま)しながら日本一の頂を見つめている。

初戦の対戦相手に「ヤバイ……」

プロのスカウトも注目する小園健太。豪快なピッチングとは裏腹に、試合前はかなり緊張するタイプだという 【写真は共同】

――いよいよ初めての甲子園が目前となりました。調整は順調ですか?

小園 2月末に入ってから投げ始めたブルペンではいい感じで投げられていましたし、順調に来ていると思います。

松川 自分もバットは振れていると思います。タイミングの取り方をしっかり確認して、徐々に実戦に入れていると思います。

――今年はリモートでの組み合わせ抽選会が行われて、対戦相手が決まりました。抽選の日はどんな雰囲気だったのですか?

小園 抽選会は校舎内でみんなで見ていたのですが、ウチのキャプテンだけ、なぜか(パソコン画面に映っている)画像が大きくて。32人が映っている中で、自分のチームのキャプテンがすぐに分かりました(笑)。

松川 画面のセッティングでそう見えただけだと思います(笑)。でも、画面越しにいろんな場面を見ているだけなのに、自分はなぜかすごく緊張しました。

――相手は県岐阜商です。決まった瞬間はどんなことを思いましたか?

小園 対戦が決まった時は、正直「うわー」って思いました。その瞬間は全員でパソコンで見ていて、自分はその場で床に倒れ込みました(笑)。僕だけです。

松川 自分は特別にはないのですが……。みんなのところに戻ってきた時に、(小園)健太に「ヤバいって」って言われました。

――松川選手から見ると、県岐阜商には注目の捕手・高木(翔斗)選手がいます。同じ右打ちの注目の打者ですが、意識するところもあるのでは?

松川 そうですね。すごくいい捕手だと聞いているので、意識はしてしまいます。キャッチャーももちろんですが、県岐阜商は左右で投手がいいですし、打線もしっかり振ってくるイメージが強いです。

小園 高木選手は外のボールにもしっかり食らいついてくるイメージがあります。加えて、低めのボールを拾ってくるのもうまいです。侮れないバッターだと思います。

――初戦ということで、気を付けたいことは?

松川 立ち上がりや試合の入り方は気を付けていきたいです。初戦という独特の雰囲気はあると思いますが、そこは意識しすぎないようにしたいです。

小園 自分は緊張する方なんです。実際には、どうなるか分からないですが……。

松川 健太は試合前にいつも「ヤバイヤバイ」ってよく言っているんですよ。近畿大会の時も、智弁和歌山戦(2-0で勝利)の前がまさにそうでした。でも、試合でスイッチが入ればやってくれると思っています。
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著者プロフィール

大阪市在住。『報知高校野球』をはじめ『ホームラン』『ベースボールマガジン』などに寄稿。西日本、北信越を中心に取材活動を続けている。

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