連載:J1・J2「移籍・新戦力」を徹底的に語り尽くす!

本命は磐田と京都!長崎、山形も有力だ 番記者によるJ2展望座談会【前編】

飯尾篤史
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昇格候補筆頭の磐田の中盤を支える遠藤保仁は、鈴木政一監督のもと、のびのびと攻守のタクトを揮う 【(C)J.LEAGUE】

 今シーズンのJ2が2月28日に開幕する。J1からの降格がなかったため、よりいっそう実力伯仲となった一方で、J3への降格は最大4チーム。例年以上に熾烈(しれつ)な戦いとなりそうだ。そこで、J2を知り尽くす3人のライター、東京ヴェルディに密着する海江田哲朗氏、水戸ホーリーホックを丹念に取材する佐藤拓也氏、FC町田ゼルビアを追う郡司聡氏に各チームの補強や陣容についてうかがい、A、B、Cとクラス分けをしてもらった。

ヴェルディの「誰が点を取るのか」問題は…

――昨年に続き、J2のクラブを密着取材されている3人にお集まりいただき、J2各クラブの補強や陣容についての印象や昇格予想をうかがいたいと思います。まずは、ご自身が取材されているクラブについての印象を聞かせてください。

海江田 ヴェルディ(昨季12位)は永井秀樹さんの監督就任3年目を迎えるんですけど、これまでの補強は永井色が濃い印象で、永井さんのスタイルに合う選手を選んでいたんです。永井さんはサッカー観やチームづくりの手法が極端な人で、その極端さが良さでもある。でも、今回の補強に関しては、強化部長の江尻篤彦さんの意向も入っていて、チームのためにこういう選手も必要ですよね、というプランで獲った選手が何人かいる。だから、各ポジションのバランスは良くなっています。

佐藤 今のところ、10番が空いていますね。

海江田 そう。前線の選手を獲ろうとしていたんだけど、コロナ禍で難しかった。ヴェルディのサッカーって「結局、誰が点を取るんですか」という問題がずっとあって、フィニッシャー不在は今シーズンも持ち越されていて。なので、端戸仁には頑張ってもらいたいし、明治大から加入した佐藤凌我にも期待しています。ゴリゴリ系のストライカーで、トレーニングマッチでは毎試合のようにゴールを決めていました。

郡司 佐藤さんの水戸はヴェルディにンドカ・ボニフェイスを持っていかれましたもんね。

佐藤 ヴェルディのサッカーにボニがどれだけフィットするのか。逆に、化学反応を起こしそうな気もするので、敵ながら楽しみですけどね。

海江田 特徴がすごくはっきりした選手ですね。めちゃ強いし、スピードもある。ただ、キャンプを見た限り、永井さんのサッカーに適応するまで時間が掛かるんじゃないかな。

佐藤 藤田譲瑠チマ(徳島ヴォルティス)と井上潮音(ヴィッセル神戸)が移籍した穴はどうするんですか?
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著者プロフィール

東京都生まれ。明治大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身し、国内外のサッカーシーンを取材する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある。

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