連載:J1・J2「移籍・新戦力」を徹底的に語り尽くす!

“三笘薫クラス”は果たして存在するのか 大卒ルーキー「即戦力」ナンバー1は?

竹中玲央奈
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 2020年シーズンは大卒ルーキー豊作の年として記憶されるに違いない。川崎フロンターレの三笘薫と旗手怜央はリーグ制覇に貢献し、三笘はベストイレブンにも選出。ガンバ大阪の山本悠樹は遠藤保仁からポジションを奪取した。北海道コンサドーレ札幌の田中駿汰、高嶺朋樹、金子拓郎はレギュラークラスに成長した。では、21年シーズンはどうなのか。各クラブが期待を込めて獲得したルーキーの中から、即戦力度の高い選りすぐりの10人をランキング形式で紹介していく。

10位:平山駿(ギラヴァンツ北九州/J2)

総合力の高い万能型のストライカー。フィルミーノのゴール集を見ることが試合前のルーティーンだという 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

平山駿のプロフィール
三菱養和→法政大→北九州/FW
1998年10月6日生まれ、埼玉県出身/181cm・72kg


 三菱養和、法政大から北九州という経歴は、昨季18得点を記録し、J1・清水へステップアップを果したディサロ燦シルヴァーノとまったく同じ。ディサロと比較されることが必至だが、平山駿は先輩を越えるポテンシャルを秘めている。

 長身ながら足元の技術が高く、しなやかにボールを収められ、得点嗅覚にも優れ、シュート精度も高い。法政大の長山一也監督も入学時から「(上田)綺世くらい期待をしていた選手」「綺世は点が取れるが、平山のほうが抜群にうまい」と太鼓判を押していた。

 最終学年の関東大学リーグで10得点をマーク。課題だった数字面での貢献も果たし、満を持してプロ入り。先輩のディサロ、同期入学の上田超えを目指す。

9位:加藤千尋(ベガルタ仙台/J1)

流通経済大の関東大学リーグ2部優勝、1部復帰に貢献した攻撃的MF。周りを生かすプレーにも秀でている 【写真:森田直樹/アフロスポーツ】

加藤千尋のプロフィール
流通経済大柏高→流通経済大→仙台/MF
1998年12月12日生まれ、東京都出身/175cm・72kg


 今季から京都を率いるチョウ キジェ監督が1年間、実質トップ(肩書はヘッドコーチ)を務めた流通経済大で絶対的な地位を築いたアタッカー。大学時代は4-3-3のインテリオールを主戦場とし、攻守にハードワークしながら2部で14ゴールを記録した。

 相手の中盤に90分間圧力を掛け続け、両足でゴールも狙う。攻守にパンチ力を備える稀有(けう)な存在で、チョウ監督が湘南を率いていた時代の武富孝介を彷彿(ほうふつ)とさせる。

 チョウ監督は流通経済大の選手たちに「監督が変わったら評価が割れるのではなく、誰が見ても良いと言われる選手になるように」と最初に伝えたが、加藤千尋はまさにこの言葉に該当する選手だ。

8位:大崎航詩(水戸ホーリーホック/J2)

攻撃力あふれる水戸のスタイルにマッチしたサイドバック。一発でサイドを変えられるパンチ力と精度を兼ね備えた左足のキックが武器 【竹中玲央奈】

大崎航詩のプロフィール
東海大仰星高→大阪体育大→水戸/DF
1998年6月30日生まれ、大阪府出身/176cm・69kg


 大卒選手が目覚ましい活躍を見せることの多い水戸において、ネクストブレイク候補が背番号3を与えられた大崎航詩だ。東海大仰星高時代にはボランチとして攻撃の起点作りを担い、高校サッカー選手権ベスト4の原動力となった。

 大阪体育大では豊富な運動量を武器に左サイドバックとボランチをこなした。「相手が緩んだ瞬間に出て行くのが持ち味」とは本人の弁。精度の高い左足も持っており、大学時代はセットプレーのキッカーも任されていた。大学の先輩である浅野雄也(広島)に続くことができるか。
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著者プロフィール

“現場主義”を貫く1989年生まれのロンドン世代。大学在学時に風間八宏率いる筑波大学に魅せられ取材活動を開始。2012年から2016年までサッカー専門誌『エル・ゴラッソ 』で湘南と川崎Fを担当し、以後は大学サッカーを中心に中学、高校、女子と幅広い現場に足を運ぶ。㈱Link Sports スポーツデジタルマーケティング部部長。複数の自社メディアや外部スポーツコンテンツ・広告の制作にも携わる。

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