PL学園OBの漫画家なきぼくろが『バトルスタディーズ』で伝えたいこと
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「厳しいから強い」はちょっとちゃうな
週刊『モーニング』で好評連載中の『バトルスタディーズ』。作者なきぼくろ氏は、自身のPL時代の経験をもとにしながら、厳しさだけではない部分も伝えたいという 【©なきぼくろ/講談社】
分からないように描いていますから(笑)。ホンマはもうちょっと行くつもりやったんですけど、ちょうど連載が始まった直後のタイミング(2015年1月から『モーニング』で連載スタート)で、PL学園野球部の休部が決まってしまって。すごくナイーブな時期に重なったので、ストレートな実録マンガになると引いてしまう部分もあるんかなと。まあ、だいぶマイルドにはしています(笑)。
──たとえば、野球部内の上下関係的なところとかですか?
そうですね。先輩方には「おまえ、ちょっと抑えて描きすぎやろ」って言われたりもしますけど(笑)。
──このマンガを描くにあたって、何か大きなテーマはあったんですか?
「PL学園=シバキがすごい」みたいなイメージがあって、「厳しいから強い」という言われ方をしてきましたけど、僕の中ではちょっとちゃうなと。たとえば量より質の練習とか、自主練主体のやり方とか、PLって実は今っぽいんですよね。もちろん厳しい部分、あかん部分もいっぱいあるんですけど、僕がいた頃から時代の先を行ってた感がすごくあった。そういう部分はちゃんと伝えていきたいですね。
──作中では、主人公の狩野笑太郎が2年生でキャプテンになるじゃないですか。ああいうことって、当時あり得たんですか?
いや、ないですね(笑)。僕がPLの野球部にいたのは、変な風に伝統が出来上がってしまっていた時期で、「これいらんやろ」っていうルールがすごくいっぱいあったんです。それこそ代ごとに新しいルールが加わっていくから、残さなあかん伝統といらん伝統がぐちゃぐちゃだった。2年生がキャプテンになるって、実際はあり得なかったんですけど、今の時代なら全然ありだし、昔のPLの話ばかり描いていても仕方がないので、ああいったストーリーも織り込んでみたんです。
──いらないルールとは?
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