山の神・柏原竜二が選ぶ箱根駅伝の名選手 「憧れが諦めに変わった天才は……」

折山淑美
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【写真提供:富士通】

 2009年(第85回)〜12年(第88回)の箱根駅伝で5区を任され、4年連続で区間賞を獲得し、区間記録を3回更新。往路優勝のゴールテープを4回にわたって切り続け、東洋大の3回の総合優勝に大きな貢献をした柏原竜二さん。言わずと知れた2代目“山の神”に、記憶に残る箱根駅伝の名選手を聞いた。スポーツナビで実施した「ファンが選ぶ!記憶に残る箱根駅伝・名選手ランキングでは堂々の1位を獲得した柏原は、どんな選手が印象に残っているのか?

「竹澤健介さんの走りは僕の教科書」

――柏原さんの記憶に残る、箱根駅伝の名選手は誰ですか?

 箱根駅伝で一番かっこいいと思ったのは、4年連続で2区に挑んだ宇賀地強さん(駒澤大)の姿です。僕が高校3年のとき、世界クロカンで一緒だったこともあって親近感を持っていて、一緒に戦いたかったという思いもありました。ゲームの流れを一気に変えられる、竹澤健介さん(早稲田大)や佐藤悠基さん(東海大)も印象的で、何区を任されるのか、毎回興味を持って見ていました。こういった選手が同じチームではなかったことも、群雄割拠という感じがしましたね。

 高校2年、3年の頃は、「もし大学に進学できたら、こういう僕にはない才能の持ち主と勝負しなければならないのか」と思いながら、箱根駅伝を見ていました。なかでも竹澤さんの速さは衝撃的で、「どうしてこんなに速いんだろう?」と思い、映像を見て走りを研究しました。

――走りの研究対象として、宇賀地さんでも佐藤さんでもなく、竹澤さんを選んだ理由は?
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著者プロフィール

1953年1月26日長野県生まれ。神奈川大学工学部卒業後、『週刊プレイボーイ』『月刊プレイボーイ』『Number』『Sportiva』ほかで活躍中の「アマチュアスポーツ」専門ライター。著書『誰よりも遠くへ―原田雅彦と男達の熱き闘い―』(集英社)『高橋尚子 金メダルへの絆』(構成/日本文芸社)『船木和喜をK点まで運んだ3つの風』(学習研究社)『眠らないウサギ―井上康生の柔道一直線!』(創美社)『末続慎吾×高野進--栄光への助走 日本人でも世界と戦える! 』(集英社)『泳げ!北島ッ 金メダルまでの軌跡』(太田出版)ほか多数。

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