

2020-21シーズンの今季、堂安律はオランダ・エールディビジのPSVアイントホーフェンからドイツ・ブンデスリーガのアルミニア・ビーレフェルトへの1年間のレンタル移籍を決断した。17年6月にJリーグのガンバ大阪から勇躍ヨーロッパの舞台に降り立った若武者は今、今季ブンデスリーガ1部への昇格を決めたクラブでどんな役割を与えられ、監督、チームメート、そしてファン、サポーターから期待を寄せられているのか。ブンデスリーガ第6節の大一番、ビーレフェルトvs.ボルシア・ドルトムントが週末に控える中、現況の堂安の立場や周囲の評価を、現地記者が探る。
右ウイングで輝く能力
ビーレフェルトにとってあまりうまくいっていない時間帯は、堂安律のプレーも機能していないように見えた。10月25日のブンデスリーガ第5節、アウェーのヴォルフスブルク戦。0-2のビハインドで圧力がかかる中、ビーレフェルトはカウンターを試みた。堂安が自陣でボール保持してエンジンをかける。しかし荒削りすぎて理想のランニングコースを見失い、少し外に開き過ぎてしまった。センターから相手DF2人が出てきて道をふさがれた。ここで攻撃は終わったかのように見えたが、堂安はボールを止め、フェイントしながらDF2人の間にパスを通して正確にフリーのチームメートへボールを渡してみせた。
ウーべ・ノイハウス監督が堂安を高く評価するのは、こういったプレーに対してである。堂安はただ足が速いだけではなく、非常に器用な選手であることを示すシーンだ。場合によっては一瞬視界を失うかもしれない、または走り過ぎたり、ドリブルをし過ぎたりするかもしれないが、すぐに状況を改善する方法を思いつく。それが堂安という選手だ。
ビーレフェルトはヴォルフスブルクに1-2で敗戦した。1週間前にはバイエルン・ミュンヘンに1-4で負けている。ただし、どちらも相手との質の差で劣ったのであって、自らのナイーブさが原因ではない。ビーレフェルトは高い授業料を払ったと言えるが、この両試合で言えることは、ビーレフェルトで一番プレーのレベルが高かったのは堂安だったということだ。
ノイハウス監督が堂安のプレー内容について振り返る。
「どんどん良くなってきている。バイエルン戦では今までで一番良いプレーをした。ボールさばきが非常に安定し、周りの選手がよく観察できているし、自らも何度かゴール枠にシュートを飛ばした」
バイエルン戦での堂安はキャプテンのファビアン・クロスから横パスを受けて加入後初得点をマークしたが、それ以外にも新鮮で自信あふれるプレーが目立った。ノイハウス監督は「堂安はとても地に足のついた選手だが、自信もある。本当に普通の、いいヤツだよ」とも語っている。
堂安はヴォルフスブルク戦でも確信のあるプレーを見せた。ビーレフェルトに得点チャンスは常に堂安が絡んでいたし、チーム唯一の得点者だったスヴェン・シップロックにアシストしたのも堂安だ。どうやら、すでに彼はブンデスリーガに適応しているようだ。それは彼自身のオープンな性格とも関係しているだろう。堂安は英語でうまくコミュニケーションが取れ、お互いを理解するのに問題が生じていない。そして、ここ2試合での堂安はノイハウス監督から最も特徴を発揮しやすいポジションで起用されている。ビーレフェルトは昇格してきたばかりのチームにしては珍しく攻撃的な4-3-3システムを採用していて、堂安は右ウイングを任されている。以前にプレーしたトップ下よりも、このポジションの方が彼のストロングポイントが生かされる。
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