連載:ドラフト直前!プロ野球敏腕スカウトの選手評価

アマ球界No.1スラッガー佐藤は競合必至 逸材そろう「大学生野手」のスカウト評価

瀬川ふみ子
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現在MLBで活躍する筒香嘉智(タンパベイ・レイズ)クラスの実力をもつと、米村スカウトも太鼓判を押す佐藤輝明(近畿大) 【写真は共同】

 直前に迫った2020年ドラフト会議。「大学生に有力選手がそろう」という声が上がる中、進学が確実視されていた超高校級投手・高橋宏斗(中京大中京高)がプロ入りを宣言したことでドラフト戦線が一転。役者がそろった今、敏腕として鳴らす苑田聡彦スカウト統括部長(広島東洋カープ)と米村明アマスカウトチーフ(中日ドラゴンズ)は、上位指名候補に挙がる選手をどのように評価しているのか。

 第2回は、「大学生野手」編。今ドラフトで最も注目を集める選手の一人、佐藤輝明(近畿大)に対して、苑田、米村両スカウトは最上級の評価を与えた。ほかにも逸材がそろう「大学生野手」の中で、敏腕スカウトが高く評価しているのは誰か、たっぷりと語ってくれた。

佐藤輝明(近畿大/186cm、92kg、右左)

苑田スカウト「そうそう出てこない選手へと成長する」

 大学・社会人では断トツにいいです。思い切ってバットを振れて、軸がぶれないからインコースもアウトコースも変化球も、当てるんじゃなくてフルスイングができるのが強みです。バットの軌道もいいし、パワーもあって、大きな球場でもホームランを打てる。スイングスピードも速い。足も肩もあって、今はサードをやっていますが、外野も守れる。プロで誰かといえば柳田悠岐選手(福岡ソフトバンク)に近く、そうそう出てこない選手になっていきますよ。

米村スカウト「飛距離は筒香クラス、年間30〜40発は打てる素材」
 打球の速さと飛距離では、今年のアマチュア野手でナンバーワンです。われわれが打球を見失うことなんて、まずないんですが、ある試合の彼のレフト線に飛んだ打球があまりにも速くて見失いました。あれは筒香嘉智(タンパベイ・レイズ)クラス。フリーバッティングを見ていてもスコンスコンとホームランを打ちますし、その点でも筒香選手とよくかぶります。

 変化球への対応力はまだできていないので若干心配もありますが、それを上回る長打力が彼にはあるので、そっちの魅力の方が勝ちますね。プロに来て、ちゃんと使い続けたら、うちの広いナゴヤドームでも30〜40発は打てる素材でしょう。

 今はサードをやっていますが、もともとキャッチャーで、肩も強い。内野だけではなく外野もいけるでしょう。あれだけの長打力の持ち主なので、どこのポジションであれ、出していきたい選手ですね。

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