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J1月間MVP 横浜FMエリキのベストプレー「美しいゴールと特別なゴール」

藤井雅彦

9月度のJ1月間MVPに選出された横浜FMエリキ。6試合連続ゴールを含む8試合8得点と高い決定力を見せた 【(C)J.LEAGUE】

 9月度「2020明治安田生命Jリーグ KONAMI 月間MVP(J1)」に選出されたのは、6試合連続ゴールを含む8試合8得点を挙げた横浜F・マリノスのFWエリキだ。首位を独走する川崎フロンターレの面々を抑えて堂々の受賞。決定力の高さを見せつけ、チームの連勝に大きく貢献したことが評価された。そのエリキにMVPを受賞した喜び、好調の要因について聞いた。9月に決めた8ゴールの中から、特に印象に残った「美しいゴールと特別なゴール」を解説してくれた。(取材日:10月13日)

連戦はマリノスを見せられるチャンス

――「2020明治安田生命JリーグKONAMI月間MVP」の9月度受賞選手に選出されました。受賞の報せを聞いたときの心境を聞かせてください。

 賞をいただけるのはとても光栄なことで、すごくうれしかったです。でも、本当にうれしかったのは、9月はチーム全体としてパフォーマンスが良かったこと。そのおかげで僕が代表してこの賞をもらえたと思っています。僕が昨年の夏に加入してから、マリノスの一員として特別な瞬間をたくさん味わってきました。チームメートに恵まれていますし、クラブにも感謝しています。マリノスに関わっている全員がいるからこそ、僕はピッチで輝ける。だから、この月間MVPはマリノス全体でいただいた賞です。

――6試合連続ゴールを含む8試合8得点と勢いが止まりませんでした。

 繰り返しになりますが、9月はチームのパフォーマンスが良かったので、そのおかげで個人的にも良い数字を残すことができました。僕が個人的な賞をもらえるのはチームメートの存在があってこそ。賞をいただけたのは得点をたくさん決めたからだと思いますが、FWが得点するためにはチームの最後尾にGKがいて、その前にセンターバックやサイドバックがいて、そしてボランチの選手がいて、彼らの頑張りや協力があって初めてFWの選手にボールがやってきます。

――横浜F・マリノスは9月だけでリーグ戦が8試合ありました。エリキ選手は連戦でも楽しそうにプレーしている姿が印象的です。

 連戦は個人的にすごく好きなんです。なぜかと言ったら、マリノスのサッカーを見せられるチャンスだからです。監督やコーチングスタッフ、メディカルスタッフは選手が良いパフォーマンスを見せられるようにしっかりサポートしてくれていますし、ファン・サポーターはさまざまな制限がある中でも温かい声援を送ってくれています。そういった方々の前で試合ができるのはサッカー選手として幸せなことです。

――中2〜3日で連戦が続く際はコンディション調整が大変なのでは?

 ブラジルでプレーしていた時代は、年間50試合以上に出場していたので連戦には慣れています。水曜日と土曜日や日曜日に試合があるリズムは体が慣れていますし、まったく問題ありません。大切なのは試合後のリカバリーで、それは積極的にやっているつもりです。試合後は失ったエネルギーを補給しなければいけません。奥さんは僕のためにブラジル料理を作ってくれるので、いつもたくさん食べています(笑)。マリノスのサッカーはハードワークが重要で、走行距離はいつもリーグトップの数字です。だから次の試合でも良いパフォーマンスを発揮できるように、試合が終わればすぐに次の試合に向けた準備を始めています。

――ゴールパフォーマンスは奥様とお母様を意識したポーズと聞きました。あらためて顔に指を3本当てるポーズの意味を教えてください。

 3本の指は英字の「W」を意味しています。僕の奥さんと母親はどちらも頭文字が「W」から始まる名前で、僕にとっては2人とも大切な女性です。プロになって初得点を挙げた18歳のときに初めてこのパフォーマンスをやりました。当時、まだ奥さんとは結婚していませんでしたが、彼女は「私のためにやってくれたのね」と喜び、母親も「あれは私のためのパフォーマンスだったのね」とうれしそうにしていました(笑)。だから得点したらゴールパフォーマンスという形で、奥さんと母親に感謝と愛情を表現しています。

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著者プロフィール

1983年生まれ、神奈川県出身。日本ジャーナリスト専門学校卒業後、フリーとして活動を開始。2006年からサッカー専門新聞『EL GOLAZO』の横浜F・マリノス担当を務め、現在はwebマガジン『ザ・ヨコハマ・エクスプレス』の責任編集としてチームに密着し続けている。著書に『横浜F・マリノス 変革のトリコロール秘史』(ワニブックス)、書籍の執筆・構成に『中村俊輔式 サッカー観戦術』(ワニブックス)、『サッカー・J2論』(ワニブックス)がある。

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