J1月間MVP 横浜FMエリキのベストプレー「美しいゴールと特別なゴール」
SBのアシストは全員サッカーの象徴
エリキが「美しいゴール」と評したのは鳥栖戦での先制ゴール。トラップからシュートまでスムーズに持ち込んだ 【(C)J.LEAGUE】
選ぶのは難しいことではないし、僕には選ぶ権利があるのかな(笑)。美しいゴールと特別なゴールが別々にあるので、それぞれ選ばせてください。
――ぜひお願いします。では美しいゴールから聞かせてください。
鳥栖戦(9月19日)で試合開始早々に決めたゴールです。その日はとても暑かったけど、試合開始直後に決めることができてチームを楽にすることができました。ティーラトン選手からロングパスを受けて、僕はすぐにシュートを打てる位置へのトラップを意識しました。個人的にとても気に入っているゴールです。
――形としてはシンプルなゴールだったと思います。そういった形でのゴールが好きなのですか?
たしかに外から見るとシンプルだったと思います。でも、もし10人が同じシチュエーションを迎えていたら、1人か2人しか決められないゴールではないでしょうか。後ろから浮き球のロングボールが来て、トップスピードで相手DFの背後を取り、右足でトラップして間髪入れずに利き足ではない左足で打つ。バウンドしていたボールをしっかり決めるのはなかなか難しかったです。
――シンプルなゴールにもさまざまな段階があったのですね。では、エリキ選手にとって特別だったゴールは?
それは清水戦(9月16日)で高野(遼)選手が送ってくれたグラウンダーのクロスを左足で決めたゴールです。高野選手が素晴らしい突破から正確なクロスを出してくれて、僕は2歩くらい下がることでフリーになってゴールを決めました。ブラジルでプレーしていた頃、左足での基礎練習に力を入れていました。テニスボールを左足で蹴って、壁の狙っているポイントに当てる練習を毎日500回くらい繰り返していたんです。努力はいつか報われると信じてトレーニングしていましたし、それが2020年9月に実りました。
――9月は8得点中5得点が左足から生まれました。それも努力の成果ですね?
そうですね。これからも努力して、もっと成長したいと思っています。今日の努力は明日きっと実ると信じています。9月は左足の努力が実った月で、僕にとって特別な月でした。そして僕が挙げた2得点はどちらもサイドバック(SB)のアシストなので、攻撃も守備も全員で行うマリノスのサッカーを象徴していると思います」
――9月の月間MVPとして期待が高まると思います。最後に、今後に向けての意気込みを聞かせてください。
先日の大分戦(10月10日)でも2得点できて、10月も良いスタートを切ることができました。MVPをいただいた身としてプレッシャーもありますが、それを楽しみながらチームメートと一緒に力を合わせて戦っていきたい。僕は常に、昨日の自分より明日の自分を想像しています。得点を決めて試合に勝っても、もっとレベルアップしたい。10月以降のマリノスはもっと素晴らしいパフォーマンスを見せるはずです。