DeNAチケット部が目指してきた“ライブエンターテインメント”の追求
9月19日から収容人数の50%以内まで観客動員が可能になったプロ野球。横浜スタジアムにも1万を超えるファンが訪れた 【(C)YDB】
新型コロナウイルスの感染対策として6月19日に無観客試合ではじまった2020年のシーズン。7月10日に5000人分の席が開放され、8月には枠が拡大する予定も、世間の感染者数増加に伴って見送り。ようやっとの9月19日、“収容人数の50%以内”まで拡大した。
これにより、ハマスタは外野席とウィング席が開放された。つまり、今季完成したレフトウィング席に半年遅れでお客さんが入り、拡張されたYデッキで内野・外野間で目的を持った往来ができるようにもなり、レフトスタンドで半年間熟成された濱星樓(はますたろう/中華料理専門のレストラン街)もいよいよオープンと、ついに完成した“パーフェクトハマスタ”の全貌が明らかとなったわけだ。
最初は“大入りの試合”作りから
チケット部長の野田さんは、飲食部長と兼任。8月掲載回に続いての登場だ 【スポーツナビ】
と言うのは、目玉チャーハンの回にも登場した、野田尚志さん。飲食部だけでなく、チケット部の部長も務めている。
※リンク先は外部サイトの場合があります
「我々はもともとガラガラだったスタジアムにどうお客さんを呼ぶか、から段階的にやってきました。最初は“大入りの試合を作ろう”からはじまって、次にその試合数を増やしていく。ベイスターズファンが増えるにつれて、三塁側という言い方をやめて『STAR SIDE(スターサイド)』にしたり、ビジターエリアにDB応援席を設けて、徐々にベイスターズファンのエリアを増やしました。たとえば県内のこどもたちを招待する取り組みもしているので、販売するチケット数をコントロールしつつ、結果として満員のハマスタをつくる。そうやって徐々に満員の日を増やしてきたんです」
「来られない人たちをどうするか」考えていたが…
近年のハマスタは満員が当たり前の状況になっていたが、コロナの影響で一度立ち止まることに 【(C)YDB】
その一方でプレミア化したチケットは入手困難となり、ファンクラブ会員で来場試合数20試合以上の“ゴールド+ステージ”の方から優先でチケットが先行購入できるシステムを採用したことで、リピーターはより球場へと足を運ぶが、競争からこぼれ落ちた一般ファンならびに物理的にハマスタに来れない遠方に住むファン、新規のファンはなかなかハマスタの地を踏むことができないチケット難民へ……。近年の課題は「どうやって席を埋めるか」から、「来られない人たちをどうするか」へと変わっていた。
「そこの部分は常に考えています。一昨年から曜日や対戦相手でチケットの値段が変わるフレックスプライスを導入して、次の対策もいろいろと考えていたのですけど……」
世界はコロナになってしまった。