本拠地最終戦で輝いた主将・ジーター ニューヨークへ惜別の「ラストダンス」
ヤンキース王朝復興のシンボルだったジーター。その本拠地ラストはこれ以上ない劇的な幕切れだった 【Getty Images】
主役は背番号2、デレク・ジーター。1990年代後半からの「王朝復興」のシンボルとして、長年にわたってヤンキースのショートを守り、2011年には球団史上初の通算3000安打を達成した“至宝”にも、最後の時が近づいていた。
「2014年シーズンがプロ野球選手として最後の年になる」。フェイスブック上でそう表明してから7カ月半。レギュラーシーズンも最終盤を迎え、本拠地のヤンキー・スタジアムでプレーするのも、この日が最後となる。我らがキャプテンの本拠地での「ラストダンス」を見届けようと、スタンドは4万8613人の大観衆で膨れ上がった。
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かつての名物場内アナウンサー、ボブ・シェパードが生前に残した「No.2…デレク…ジーター」のアナウンスに促されてこの日最初の打席に入ると、3ボール1ストライクからの5球目を思い切りひっぱたく。高々と舞い上がった打球が左中間フェンスを直撃して一塁走者は一気に生還、ジーターは悠々と二塁に達した。
さらに相手投手の暴投で三塁に進むと、敵失の間にホームにかえってあっという間に同点。2対2のまま迎えた7回裏には、ジーターのショートゴロが相手のエラーを誘って2点を勝ち越し、次打者の犠牲フライでヤンキースが5対2とリードを広げる。
土壇場で追いつかれるも、すべては“おぜん立て”に過ぎず
だが、そこから思いもよらない展開が待っていた。このシーズン、9割を超えるセーブ成功率を誇っていたロバートソンが、アダム・ジョーンズ(現オリックス)の2ランなど2本のアーチを浴び、土壇場で試合は振り出しに戻る。
すべてはこのための“おぜん立て”に過ぎなかった──。そう思える瞬間がやってくるのは、その直後だ。9回裏、ヤンキースがヒットと送りバントで1死二塁と舞台を整えると、ここで真打ち登場。5度目の打席に入ったジーターが、初球を得意の流し打ちでライト前に運び、二塁走者がヘッドスライディングでホームイン。スタジアムはまるで優勝を決めたかのようなお祭り騒ぎとなった。
グラウンド上では、ナインが代わる代わるヒーローを祝福。ジーターは2年前からヤンキースの一員となっていたイチロー、そして黒田ともハグを交わすと、この日のために駆け付けたジョー・トーリ元監督、マリアーノ・リベラらかつての“戦友”ともガッチリと抱き合う。最後は1人ダイヤモンドに戻り、フランク・シナトラの『ニューヨーク、ニューヨーク』が流れる中で、ファンの惜別の声に応えた。
今振り返ってみても、筋書きがあったと言われても不思議ではないほどの劇的な幕切れ。ジーターの「ラストダンス・イン・ニューヨーク」は、こうして“伝説”となった。
【お知らせ】23日12時〜大谷サイクル安打、ジーター本拠地最終戦を復刻配信
7月23日(木・祝)12時〜は、2部構成でお届け。
第1部は「レイズvs.エンゼルス(2019年6月13日)」を配信(ゲスト出演:高橋尚成さん、マック鈴木さん、AKI猪瀬さん)。
第2部は「黒田博樹×AKI猪瀬 スペシャル対談 ヤンキースvs.オリオールズ(2014年9月25日)」を、それぞれ生配信でお送りします。
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MLB Opening Special 〜名場面復刻配信〜
大谷サイクル&黒田博樹が登場
第1部 レイズvs.エンゼルス(2019年6月13日)
ゲスト出演:高橋尚成、マック鈴木、AKI猪瀬
第2部 黒田博樹×AKI猪瀬 スペシャル対談 ヤンキースvs.オリオールズ(2014年9月25日)
ゲスト出演:黒田博樹、AKI猪瀬
配信開始日時:2020年7月23日(木)12:00
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