連載:キズナ〜選手と大切な人との物語〜

家族と相談せず自分で決めたプロ志望宣言 近江・土田龍空の恩返しは「活躍すること」

沢井史
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近江高校出身の姉の朱香さん(左)と土田龍空(右) 【写真:本人提供】

 土田家はとにかく会話が多い。今でも夕食は遠征や親の仕事の都合など以外は家族4人で食卓を囲み、龍空の練習が遅い時も帰宅するまで家族が待って、全員で夕食をとる。朝食は全員が家を出る時間がバラバラなため4人で朝食をとることは少ないが「だいたいは誰かと一緒のことが多いです。自分だったら母と(朝食を食べること)が多いですね」(本人)。

 父だけでなく、母ともキャッチボールをすることがあり「たまにボクシングみたいな動きで体を一緒に動かすこともあります」と家族全員スポーツが好きなのも仲の良さの理由だ。

家族と話し合い「自分を大事にしてくれる」近江高校へ

先日、プロ志望届を出す意思を表明した土田龍空。その決断を家族は優しく見守っている 【写真:本人提供】

 週に一度は家族で必ず外食に出かけ、朱香さんとは一緒に買い物に出ることもある。朱香さんは姉であり、気軽に何でも話せる友達のような間柄だ。「家にいる時もお互いのことはよく話しますね。一緒にふざけることもありますが、野球になると切り替えが早い。そのあたりはさすがだと思います」(朱香さん)。現在、京都市内の大学に通う朱香さんは、米原から約1時間かけて通学。家族との時間を大事にしている。

 ただ、龍空は家では1人でいることがほとんどない。「自分の部屋に行く時は寝る時ぐらいです。それ以外はリビングで誰かと話したり、テレビを観ています。1人でいるのは苦手ですね。僕に限らず、家族みんなそうなんじゃないかと思います」(本人)。

 高校進学を控えた中学3年生になると、県内外に関わらず強豪校からの誘いがあった。家族と一緒に過ごしたい中で、龍空には当初、あるこだわりがあった。
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著者プロフィール

大阪市在住。『報知高校野球』をはじめ『ホームラン』『ベースボールマガジン』などに寄稿。西日本、北信越を中心に取材活動を続けている。

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