カディスの自慢は世界有数のサポーター 日本人選手不在…それでも愛されたい
カディスはリーガ2部でし烈な昇格争いの真っただ中。混戦を勝ち抜き、1部復帰なるか 【Getty Images】
司会はサッカージャーナリストの小澤一郎氏、通訳はアルビレックス新潟U-18コーチの森亮太氏が担当。冒頭にはインスティトゥト・セルバンテス東京のビクトル・ウルガテ館長、ラ・リーガ・シンガポールオフィスディレクターのイバン・コディーナ氏が参加者にあいさつを行った。
スペイン全土にいる“カディスタ”
「カディスは異国情緒あふれる、西ヨーロッパで最も古い町のひとつです。アンダルシアで最も人気のある町のひとつで、スペイン中から多くの観光客が訪れる町でもあります。ガディターノ(カディス人)は他とは異なる生活スタイルと陽気な気質を持っています。その点は日本の田舎町の方々と共通するところがあるのではないかと思っています」
その後、話題はセミナーのメーンであるカディスCFに移っていく。クラブの歴史、本拠地ラモン・デ・カランサ、ラ・リーガにおける戦歴、往年の名選手マヒコ・ゴンサレス、65年の歴史を持つプレシーズン大会「トロフェオ・ラモン・デ・カランサ」などの説明に続き、ハイメ氏はクラブが誇る“カディスタ”(カディスファンの愛称)について熱く語ってくれた。
「我々のファンは世界有数のサポーターのひとつと考えられています。彼らは我々のエネルギー源であり、クラブの創立時から唯一無二のスタイルでチームを支え続けてきました。彼らは決して信念を曲げない、他とは一線を画すスタイルでフットボールを生きている人々で、絶対にチームを見捨てることはありません。ありがたいことに、マドリーやバレンシア、マラガ、カステジョン、ラ・コルーニャなど、地元カディスのみならずスペイン全土に多くのファンがいるのも特徴のひとつです。
この10年間、我々はチームが2部にいようが3部にいようが、毎シーズン1万5000人以上の年間シート保有者を維持してきました。4シーズン前のある試合では、7000人以上のファンが80台以上のバスに乗り込み、試合が行われるセビージャに押し寄せたこともあります。過去にはスペインの最優秀サポーターに何度も選ばれていますし、ラモン・デ・カランサが作り出す毎試合の陽気に満ちた雰囲気は、日本の方々でもホームのように感じられるものだと断言できます」
カディスジャパン設立する力の入れよう
カディスCFのマーケティングディレクター、ハイメ・カステジェッツ氏。日本のファンにクラブの魅力を伝えた 【Getty Images】
「短期的には日本で選手のクリニックを開催したり、選手発掘のセレクションを行ったり、指導者向けの講座を行ったりすることを計画しています。カディスとカディスCFのことをより深く知ってもらう機会として、日本からファンを招くツアーも企画していこうと考えています。もちろん日本だけでなく、カディスでもさまざまなイベントを行っていきますので、日本サッカー界のために学びたいという人材はいつでも大歓迎です」
その後、ハイメ氏は日本のマーケットに対する見解として「スポーツへの関心の高さ」「経済的安定」「長期的なビジネスプラン」「イノベーション、テクノロジー、デジタル分野における先駆者」「世界各国との広いつながり」といった特徴を挙げ、スペインが学ぶべきことはたくさんあるとの持論を展開。最後は日本サッカーに対する印象について語り、プレゼンテーションを締めくくった。
セミナーの第2部、30分間の質疑応答には100人以上の参加者から50以上の質問が殺到し、大盛況のうちに終了時間を迎えた。最後に、ハイメ氏は参加者に対して感謝の言葉を述べ、セミナーを終えている。
「すべての参加者の方々に感謝しています。カディスジャパンはポッドキャストの放送やインスタグラムの日本語アカウントも展開していますので、ぜひともカディスの情報をチェックしてください。カディスはみなさんのホームです。機会があれば遊びに来てください。そして本日お話しした魅力を楽しんでいただければ幸いです」
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