連載:欧州サッカーフリークが選ぶビッグクラブのマイベスト

金子達仁×倉敷保雄が語るリーガ2大巨頭 ベスト11にロナウド、イニエスタ入らず?

吉田治良
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いずれも欧州きってのメガクラブだけに、両氏が選出したベストイレブンにはそうそうたる顔ぶれが並んだ。プジョールとラウールなど、歴代キャプテンもほぼ順当に名を連ねている 【Getty Images】

 スポーツライターの金子達仁氏とアナウンサーの倉敷保雄氏による、ラ・リーガ対談。スペインの2大巨頭、レアル・マドリーとバルセロナを語り尽くす企画の第2回は、両氏にそれぞれのクラブの「歴代ベストイレブン」を選んでいただいた。いずれ劣らぬビッグネームが並んだが、とりわけ熱がこもったのは、神の子マラドーナ、そして今は亡きオランダの革命家にまつわるトークだった。

カンナバーロは「天使の顔をした悪魔」

──では、ベストイレブンにいきましょう。

倉敷 はたして金子さんから、マドリーのベストイレブンは出るのでしょうか?

金子 あ、僕、マドリーなんてはなから考えてないですもん。

──ちょっと、ダメですよ(笑)。

金子 じゃあ、GKがイルクナー。DFは真ん中がセルヒオ・ラモスとイエロでしょ、左がロベカルで、右は誰がいたかな?

──サルガドとか?

金子 ああ、ミッチェルね。で、誰がなんと言おうと中盤の底はレドンド。それからジズーでしょ……。あとは誰だろう。

──レバークーゼン戦で言うと、フィーゴですね。

金子 フィーゴって大した選手じゃない。人格者であることは分かるけれど、暗黒時代のバルサの選手ですから。クリロナとラウールは間違いなく入って、あとは歴代で言うならディ・ステファノも選ぶべき?

──モノクロ写真しかないですよ(笑)。中盤にセードルフは?

金子 クラレンスか、うん、いいかもしれない。汗をかいてもらいましょう。

──FWが1人足りませんね。

金子 ですよね? でもまあ、マドリーなんかそれでもいいやって感じなんですけど。

倉敷 ハハハ。太っちょの方のロナウドを入れちゃいましょうか。

金子 太っている選手は嫌いです。あ、忘れてました、ウーゴ・サンチェス。これは入れたい。僕が初めて現地で見たW杯、86年のメキシコですから。彼は特別な選手なんです。

倉敷 しかし、これだけいろんなことを知っているトップライターが、これだけ興味がないって……。衝撃です、ある意味(笑)。

──では倉敷さん、お願いします。

倉敷 GKはカシージャス。若い頃から見てきて思い入れがあるというか、あんなに瘦せっぽちの青年が、こんなに大きくなって、今ではスペインサッカー連盟の会長選挙に出馬ですからね。まさに継続は力なり、ですよ。

金子 レベルが低いというスペイン人GKのイメージを変えましたからね。イルクナーがいなくなってどうなるかと思いましたけど、よく頑張ったカシージャス。

倉敷 DFの真ん中はカンナバーロとセルヒオ・ラモス。右はカルバハルで、左がロベルト・カルロス。中盤はマケレレとシャビ・アロンソ、サイドにクリスチアーノ・ロナウドとジズーを置きます。2トップはラウールの相棒に、僕はモリエンテスを選びました。

──ポイントは?

倉敷 レドンドは金子さんが絶対に入れてくると思ったので、あえてシャビ・アロンソにしましたが、迷ったのが太っちょの方のロナウドを入れるかどうか。当時のロナウドは間違いなく時代を象徴する選手で、本当は入れなきゃいけないんだけど、ラウールとセットの時のモリエンテスがすごく好きだったので。

──カンナバーロはちょっと意外だったかも。

倉敷 マドリーよりも、イタリア代表として06年ドイツW杯を戦った時の印象の方が強いですよね。あの大会のカンナバーロは、本当に最高の選手でしたから。

金子 最高でしたよね。男前なのに、ちゃんと薄汚いこともできて。

倉敷 汚いファウルをしておきながら、白い歯がこぼれているという。金子さんと中継する時は最高のおかずでしたよね。

──ぺぺとはタイプが違う?

金子 あれは本当に薄汚いから(笑)。確かに、天使の顔をした悪魔という意味では、カンナバーロ、すてきでしたよね。

──金子さんが選んだイエロもいやらしい選手でした。

金子 あれはドス黒い人だから(笑)。
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著者プロフィール

1967年、京都府生まれ。法政大学を卒業後、ファッション誌の編集者を経て、『サッカーダイジェスト』編集部へ。その後、94年創刊の『ワールドサッカーダイジェスト』の立ち上げメンバーとなり、2000年から約10年にわたって同誌の編集長を務める。『サッカーダイジェスト』、NBA専門誌『ダンクシュート』の編集長などを歴任し、17年に独立。現在はサッカーを中心にスポーツライター/編集者として活動中だ。

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