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原口元気が子どもたちに伝えたい思い
「一人きりでもサッカーはうまくなる」
原口(ハノーファー)にインタビューを実施。ドイツ国内の状況やJFA企画に賛同した経緯について話を聞いた
原口(ハノーファー)にインタビューを実施。ドイツ国内の状況やJFA企画に賛同した経緯について話を聞いた【写真:本人提供】

 新型コロナウイルスの感染拡大により、日本では不要不急の外出を控えるよう政府や自治体からの訴えが続いている。そんな中、さらに深刻な状況にあるヨーロッパから届いた代表選手たちのメッセージ動画は、よりリアルで説得力が感じられる。これは日本サッカー協会(JFA)による「Sports assist you〜いま、スポーツにできること〜」というプロジェクトの一環。今も国内外の代表選手や関係者による、さまざまな動画が連日アップされている。


 今回はプロジェクトの当事者である原口元気(ハノーファー)にインタビューを実施。ドイツ国内の状況や企画に賛同した経緯について話を聞いた。(取材日:4月8日)

チームは6日から再始動

――新型コロナウイルスの流行に伴って、世界各国ではさまざまな対応に迫られています。まずは原口元気選手が所属しているドイツ・ブンデスリーガのハノーファーと、ドイツ国内の状況をお聞かせください。


 今は、ドイツ・ブンデスリーガの試合が全て中断されています。ただ、ハノーファーのチーム活動に関しては4月6日から再始動しています。その練習はチーム全体ではなくて、4つほどのグループに分けて時間をずらして、なおかつドレッシングルームも4つに分けて使用していますね。また練習の内容も対人ではなく、各選手やコーチングスタッフなどが1.5メートル以上近づかないような工夫をしています。


――ハノーファーの場合、ドイツ・ブンデスリーガの中で初めて選手から新型コロナウイルスの感染者が出ました。当時は大変な状況になったかと思います。


(チームメートのティモ・)ヒューバースがまず新型コロナウイルスに感染したと聞いて、そこでクラブ内の全員が検査を受けることになりました。そこで、新たに一人でも感染者が判明したら、その時点でチームとしての活動は休止するということになっていました。その結果もう一人、ヤネス(・ホルン)もウイルスに感染していることが明らかになったため、僕らは濃厚接触者として14日間、自宅から一歩も外に出ないで自主隔離する状況になりました。つまり2週間、家から全く外に出られないことになったわけです。


――今まで経験したことのない生活になったかと思います。自宅ではどのように過ごしていたのでしょう?


 子どもの頃から、こんなに家にいることはなかったですね。一番大変だったのはトレーニングができないこと。ただ、それでもふたつ、この時間を有効に使おうと思ったことがあるんです。ひとつは英語の勉強、そしてもうひとつはフィジカルコンディションをキープすることでした。それは、この14日間の中の目標として定めて、それを何とか工夫してこなそうとしましたね。

ハノーファは3人以上の集会が禁止

――原口選手が住むドイツのハノーファーは新型コロナウイルスの影響でどのような制限措置が取られているのでしょうか?


 基本的に3人以上の集会ができない。3人以上が外に集まって話をすることは禁止されています。また、レストランもテークアウトでの販売以外は当然休業しています。今、営業しているのはスーパーマーケットなどの食料品店や薬局、銀行、郵便局などですかね。おそらくドイツ国内はどの州も似たような制限措置が取られていると思います。ただ、一人で外を散歩することは許されています。例えば犬の散歩もできます。ただ、公園によっては閉鎖されているところもあります。遊具が設置されている公園などがそうです。なので、自然があるような散歩道を探して犬を歩かせていますが、そこでも警察の方々が監視しているような様子が見られます。また、今はチームの練習も再開されたので、僕はそのために外へ出てクラブハウスへ行ったりもしています。

――刻一刻と状況が変わる中、ドイツ・ブンデスリーガの再開時期なども各種報道があるようですね。

 今のところは、今後1カ月先をめどにリーグが再開できればという予測の下で活動をしていると思います。でも、こればかりは全体の状況によって判断されることですからね。ただ、ハノーファーが所属するブンデスリーガ2部は今季残り9試合ある中で、無観客試合の実施も想定しながら、約2カ月程度を掛けてシーズンを終了させられるように各種動いているのではないかと思います。


――現在、原口選手が直面している状況を率直にどのように受け止めていますか?


 プロサッカー選手として、これまでは毎週3万、4万の満員のスタジアムでプレーできていたのは幸せなことだったと感じますね。それが奪われて、正直に言うと楽しくはない状況です。それでも、今はそんなことを言っている場合ではないことも分かっています。みんながそのような辛い生活を強いられているわけですからね。特に医療関係者の方々などは今までにないくらいに多忙で、かつ危険と直面しながら仕事に従事されていると思いますから。だから僕が「サッカーができない」と文句を言うのではなく、残念ではありますけども、今やれることをやらなければという心境でいます。


――ドイツは外出制限などの厳しい措置が取られている影響もあって、原口選手もその深刻さを感じていらっしゃるかと思います。


 そうですね。ドイツ国内全体では、この新型コロナウイルスへの対策を徹底させていると思いますね。僕は今、ドイツに住んでいるので他国の状況、日本の状況についても正確には把握できないのですが、このような対策を徹底することで、今のドイツは感染数も減少傾向にあります。これから何週間後かに、感染者数がゼロになってくれたらと思っています。

島崎英純

1970年生まれ。東京都出身。2001年7月から06年7月までサッカー専門誌『週刊サッカーダイジェスト』編集部に勤務し、5年間、浦和レッズ担当記者を務めた。06年8月よりフリーライターとして活動。現在は浦和レッズ、日本代表を中心に取材活動を行っている。近著に『浦和再生』(講談社刊)。また、浦和OBの福田正博氏とともにウェブマガジン『浦研プラス』(http://www.targma.jp/urakenplus/)を配信。ほぼ毎日、浦和レッズ関連の情報やチーム分析、動画、選手コラムなどの原稿を更新中。

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