連載:ライオンズ黄金時代同窓会

常勝・西武を作った3人の監督と助っ人 最強の外国人は?「黄金時代」同窓会

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ライオンズ「黄金時代」の基礎を作り上げた根本陸夫監督 【写真は共同】

 球史に燦然(さんぜん)と輝く西武ライオンズの黄金時代。その主役であり、証人である東尾修、石毛宏典、辻発彦、渡辺久信の4氏は、根本陸夫、広岡達朗、森祇晶の3人の監督の能力、魅力をどう評するのか。そして、彼らの指導のもとで、自分がどう変わったのか。思い出話に花を咲かせながら、さらに同じ時代をともに戦い、あるいは対戦した個性豊かな助っ人外国人たちを懐かしむ。

黄金時代を作り上げた3人の監督

―― ここからは少し視点を変えて、改めて「監督」というものに焦点を当てて語っていただきたいと思います。東尾さんは、7人の監督の下でプレーされましたが?

東尾 そうね。最初が中西(太)さんで、稲尾(和久)さん、江藤(慎一)、鬼頭(政一)、根本、広岡、森……。

――根本監督はどのような方でした?

石毛 筋をしっかりと通す方でした。これは表の話、これは裏の話という判断もできる人だと思いますし、人脈もすごく広かった。

 言葉に重みがありましたよね。ひと言、ひと言に説得力があった。

石毛 度量ですよね。茨城の村長のせがれですけど、出来の良い家庭の出来の悪い息子みたいな感じ。辻が言うように、根本さんの言葉には一つひとつに重みがあって、その時というよりも、後からジャブのように効いてくる感じ。親父の小言みたいなことを言ってくれる人でした。

 俺も確か、遠征のときにいろいろと話をしてもらいました。「お前はこうやっておけば間違いない」って感じでね。

東尾 野球に関しては独特な理論があったね。キャンプでは、ずっとキャッチボール。練習メニューも独特だったよ。根本さんってピッチャーじゃないからさ、投げ方をどうのこうの言われた時は、ハッキリ言って困ったけど(苦笑)。

渡辺 そうそう。根本さんが見てるときだけその通りにやって、それ以外の時はすぐに元に戻して(笑)。でも確かにひと言ひと言に重みがありましたね。

石毛 俺は優勝した時に聞いたんだよ。周囲から「石毛がチームリーダーだ」っていう評価をされたが、「俺はそんなリーダーみたいなことはしてねぇよ」って。そしたら「お前、評価っていうのは人がしてくれるものだから、しっかりと受け止めておけ」って。そして「評価っていうのは人様がするものだから得てして窮屈なものだし、お前がそれに対して居心地が悪いと思うのはようわかる。だけど、そういう窮屈さを生きていくのが大人の社会なんだよ。よう覚えとけ」って。

渡辺 へぇ、なんかやっぱり重みがありますね。

石毛 でも当時はね、ピンと来ないんだよ。ある時は「スーツの似合う男になれ!」とかね。その時は、「スーツですか? 野球選手はユニホームでしょ⁉︎」って言ったの。そしたら「バカヤロウ! スーツの似合う男になっておけ!」って。シーズンオフには「一般社会で働いている同級生と一緒に飯を食え!」って。「お前らはたくさんお金を稼いでるけど、ビニールハウスの外がどんな空気なのか。どんな風が吹いているのか。どんな天気なのかを知っておかなくちゃいけないぞ」って。当時はそういうことを言われてもピンと来なかったけど、この年齢になると分かるよね。ずっと野球をできるわけじゃないから、その後の人生のことも含めて教えてくれていた。

――野球選手の前に一人の社会人という考え方があるわけですね?

石毛 うん。そういうことだね。

―― 広岡監督はどのような方でした?
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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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