連載:“近鉄OB同窓会”令和だから言えるアレコレ

3連勝4連敗の日本シリーズで何が? 近鉄戦士が明かした加藤哲郎への本音

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右肩痛を抱えながらも日本シリーズでベンチ入り、第3戦で好投した加藤 【写真は共同】

 大混戦のパ・リーグを制した近鉄の伝説は、そこで終わりではない。その後、巨人との日本シリーズは、今でも語り草になるほどの「事件」を盛り込みながら進み、3連勝の後に4連敗するという形で敗れた。その「事件」の当事者を中心に、1989年の日本シリーズを振り返る。

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投げるどころではなかった加藤

――見事にリーグ優勝。そして迎えるのが日本シリーズです。加藤さん、日本シリーズに対する思いは?

加藤 全然です。

――ええ!?

加藤 いや、本当に。もうね、肩が痛くて。それどころじゃなかったんですよね。たぶん日本シリーズで投げるのは無理だと思っていましたから。

――光山さんは最後にアピールできたので、日本シリーズで暴れてやるという気持ちはあったのでしょうか?

光山 シリーズに入る前に、まず古久保(健二)さんが骨折かなんかして、キャッチャーは僕と山下(和彦)の二人だった。で、山下が第2戦でファウルチップが当たって突き指したんですよ。その2試合目の途中から、僕が出て行くことになった。自分に巡ってくる不思議な力はありましね。

――ただ、リーグ戦が熾(し)烈でしたし、そこで優勝したことで正直、チームとして「さあ! 日本シリーズだ!」という気持ちにすぐにはなれなかった部分もあったのではと思いますが……。それとも優勝した勢いのまま「いくぞ!」という感じだったんでしょうか?

大石 僕は毎年、日本シリーズはほとんど見てなかった。出たいなという気持ちは持っていましたけど、悔しかったから。そういう意味ではやっと出られるという感じでしたね。

――それが、第1戦の先頭打者ホームランにつながったんですね?

大石 あれは、どうでしょう……。あれがケチのつけ始めかと……(苦笑)日本シリーズで負けたのは、加藤の責任じゃない。僕の責任です。

加藤 ええ!? そうなんですか?
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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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