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連載:箱根駅伝ライバル物語
青山学院大・吉田圭と東海大・名取の挑戦
「エース」の称号をかけて箱根に臨む

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エースの座を目指して走り続ける青山学院大・吉田圭(写真左)と東海大・名取
エースの座を目指して走り続ける青山学院大・吉田圭(写真左)と東海大・名取【写真は共同】

 厚い選手層を誇る東海大と青山学院大において、次期エースの筆頭格と目されているのが吉田圭太(青山学院大3年)と名取燎太(東海大3年)だ。ともに大学入学後につまずき、ライバルの活躍に辛酸をなめた。誰もが認めるチームのエースになるために――。雌伏の時を経て覚醒した2人が、並々ならぬ決意で箱根路に臨む。

名門・世羅高で全国高校駅伝を連覇

青山学院大の吉田圭太は高校時代に全国高校駅伝連覇の実績を持つ。しかし、個人レースでは頂点に立てなかった
青山学院大の吉田圭太は高校時代に全国高校駅伝連覇の実績を持つ。しかし、個人レースでは頂点に立てなかった【撮影:白石永(スリーライト)】

 青山学院大・吉田圭には、中学時代からのライバルがいる。2013年の全日本中学陸上3000メートルで1位になった遠藤日向(現・住友電工)、2位の神林勇太(現・青山学院大3年)、3位の西山和弥(現・東洋大3年)の3人だ。ちなみに、4位は加藤淳(現・駒澤大3年)、5位は吉田圭、6位は名取で、実業団に所属する遠藤以外は、いずれも強豪大学の主力選手になった。


「日向、神林君、西山君とは中学時代から競い合ってきたので、ライバルとして意識しています。なかでも日向にはずっと勝つことができず、今でも勝ちたいと思っています」


 吉田圭のキャリアは燦然(さんぜん)と輝いている。陸上の名門・世羅高に入学し、1年時に5000メートルで14分11秒55、2年時に13分50秒67という学年別歴代上位の好タイムをマーク。全国高校駅伝では1、2年時に連覇を経験している。しかし、個人レースで頂点に立つことはできなかった。吉田圭の上にはいつも遠藤(当時・学法石川高)がいたからだ。


 吉田圭が「印象に残っている」と語る、高校3年時の国体少年A5000メートルでもそうだった。結果は吉田圭が2位で、遠藤が1位でゴール。“世代ナンバー1”の遠藤が吉田圭の前に立ちはだかるのだが、その差は歴然としていた。

「日向はスピードがあるので、ラスト勝負では分が悪いと思っていたんですが、最後まで競り合うことができた。悔しさよりも、嬉しさの方が強かったです」


 高校卒業後、吉田圭は青山学院大に進学し、遠藤は住友電工に入社。以降、2人の直接対決はない。


「トラックで勝負したいという思いが強かった日向は100メートルも速く、スピードではかないません。その分、僕はスタミナでカバーしていこうと思いました」

芽生えたエースの自覚

今年の全日本大学駅伝で吉田は7区を担当。東海大・松尾を猛追するも、区間賞は逃した
今年の全日本大学駅伝で吉田は7区を担当。東海大・松尾を猛追するも、区間賞は逃した【写真は共同】

 青山学院大入学後、最初の壁となって現れたのが、チームメートになった神林だ。神林は1年時の出雲駅伝で大学駅伝デビューを果たしている。一方、吉田圭は苦戦した。


「世羅高は他校と比べて練習量が少なかったこともあって、大学の練習量にうまく対応することができなかったんです。1年目からバリバリ走って活躍するイメージを持って入学しただけに、プライドをへし折られました。神林が出雲を走ったときは、本当に悔しかったですね」


 そんな吉田圭を尻目に、ライバルたちは活躍していく。ニューイヤー駅伝の1区で遠藤が区間賞を、箱根駅伝の1区で西山が区間賞を獲得。結局、吉田圭は1年時、大学三大駅伝に出場できなかったが、彼らの活躍をモチベーションに変えた。

酒井政人

1977年愛知県生まれ。東農大1年時に箱根駅伝10区に出場。陸上競技・ランニングを中心に取材。現在は、『月刊陸上競技』やビジネス媒体など様々なメディアで執筆中。『箱根駅伝ノート』(ベストセラーズ)など著書多数。

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