日本ラグビー協会・森会長が振り返るW杯 大会を通して感じた「感謝」の気持ち

スポーツナビ
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(提供:(公財)日本ラグビーフットボール協会)

日本ラグビーフットボール協会の森重隆会長が講演を行った 【スポーツナビ】

 公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団と、公益財団法人日本ラグビーフットボール協会が主催する「みなとスポーツフォーラム」の第100回が12月2日、東京都港区のみなとパーク芝浦で行われた。

 最終回である今回は「日本ラグビー界の未来」というテーマのもと、日本ラグビーフットボール協会の森重隆会長を招き、ラグビージャーナリスト・村上晃一さんの進行で講演が行われた。

 この日はまず、講演当日に発表された「2019ユーキャン新語・流行語大賞」に話が及んだ。ラグビー日本代表のスローガンである「ONE TEAM(ワンチーム)」が年間大賞を受賞。ラグビー関連ではほかに「ジャッカル」、「笑わない男」、「4年に一度じゃない。一生に一度だ」、「にわかファン」の計5つがノミネートされるなど、日本に大きなインパクトを与えた。

「本来なら監督のジェイミー(・ジョセフ)かキャプテンのリーチ・マイケルが行くべきだったが、2人ともニュージーランドにいまして。代わりに私が受け取ってきました」と森氏が受賞式への登壇の経緯を説明。受賞スピーチを振り返り「さっき自分が映っているニュースを見たら、また目がうるうるしてきた。それくらいラグビーが浸透したのがうれしかった」 

勝利を確信した福岡堅樹のトライ

福岡堅樹がスコットランド戦で2トライを決める活躍 【Getty Images】

 森氏と言えば、明治大学では1年生から試合に出場。新日鉄釜石、日本代表でもキャプテンとして活躍。現役引退後は母校である福岡高校のラグビー部監督を務めた。ワールドカップ(W杯)での戦いをスライドショーで振り返る中で、話は福岡高校時代の教え子である福岡堅樹に言及した。

「もちろん、いい選手になると思っていましたよ。高校1年生の時からレギュラーだったんですから。ただ、ここまでいい選手になると思っていませんでした」

 日本代表では松島幸太朗の大会通算5トライに次ぐ4トライをマーク。スコットランド戦では勝利を決定づける約50メートルの独走トライ。試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチにも選ばれた。

「アイルランド戦は途中で出てきて、インターセプトして最後に捕まったじゃないですか。あの時にまだ大会前の怪我の影響もあり、本調子じゃないと思ったんですよね。でもスコットランド戦では同じようなシーンでトライを決めてくれた。あの時に絶対勝てると確信した瞬間でした。ただ、最後は追いつかれそうになったのでヒヤヒヤしましたけどね(笑)」

 続いて話題は準々決勝・南アフリカ戦へと移っていく。日本代表は前半こそ2点ビハインドで折り返したものの、後半は地力の差を見せつけられて3-26で敗れた。

「姫野はアイルランド戦やスコットランド戦の時は必ず1mくらい進んでいたんですよ。でも、このときは一歩も出なかった。これが南アフリカのフィジカルの強さですよ。」

スタンドと選手が一体となってW杯を盛り上げた

スタンドに向かってお辞儀をする南アフリカ代表 【Getty Images】

 大会を通して感じたことは、スタンドと選手が互いに伝え合う「感謝」の気持ち。スタンドでは、海外の国歌やアンセムを歌う日本人のファン。母国を応援するために訪日した海外のファンが一体となって大会を盛り上げた。

「各国の選手が試合後、スタンドに向かってお辞儀をしていたじゃないですか。ものすごくぎこちないんですよね。いまさっき教えてもらったような。ただ、それでもやろうとする気持ちがあったと思うんですよね。感謝の気持ちをどうにかして伝えようと。それが日本人の心をくすぐったのだと思います」

 最後に森氏は「みなさん、死んでしまったら駄目ですよ。20年以内にラグビーW杯を再招致します」と抱負を語り、講演を締めくくった。

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