ウオッカ超えた超速女王レシステンシア 5馬身差レコードVで桜花賞最有力筆頭へ

スポーツナビ

早熟ではない「まだまだ良くなっていく馬」

39歳の松下調教師(左)は「夢のようで言葉にならない」と開業5年目で手にしたGI初勝利の味をかみしめた 【スポーツナビ】

 それにしても、この規格外の強さはどうだ。来春に向けてリアアメリアがどんな勝ち方をするのか、そんな下馬評を根底からひっくり返す勝利。現在の阪神マイルコースは実力が反映されやすい形状であり、フロックではこの時計、内容で勝つことはできない。レシステンシアは紛れもない“本物”と言っていいだろう。そして開業5年目でビッグタイトルを手にした39歳の松下調教師は、2歳女王が完成度の高さで勝ったわけではない、つまり早熟馬ではないことも強調する。

「レースを使うごとに引き締まって、アスリートの体になってきました。筋肉質で体格はすごく恵まれている馬ですが、まだトモ(後肢)がだいぶ高いですし、まだまだ良くなっていくと思います」

 若い牝馬らしく、レースに行くとテンションが高くなるタイプとのことだが、それも「ファンタジーSよりも落ち着いていましたし、すごくいいなという雰囲気でした」と北村友。そして、松下調教師によれば「普段は物怖じしない、ドッシリとした性格。おとなしくて手がかからない馬」というだけに、春に向けての調整で苦労することはないだろう。

このスピードを止める馬は現れるのか

桜花賞戦線を一歩リード、レシステンシアのスピードに待ったをかける馬は現れるのか 【スポーツナビ】

「強い勝ち方をしてくれました。来年に夢がつながる競馬でした」

 そう若きトレーナーが語れば、この勝利で今シーズンGI3勝目となったジョッキーも「来年も桜がきれいだと言えるように、ゆとりをもって臨めれば。その前に、自分もそうですが、無事に桜花賞に出走できることが一番だと思います」と気を引き締める。

 走破時計はあのウオッカを上回るコースレコードであり、阪神JFでの5馬身差は1993年の女傑ヒシアマゾン以来。もちろん、競馬は数字がすべてではないが、レシステンシアはそれら希代の名牝に肩を並べる可能性があるということだ。2020年桜花賞戦線は、リアアメリア1強ムードから一転、レシステンシア独走へと変わったか。そして、このスピードに待ったをかける馬は現れるのか。4カ月後、再びこの阪神マイルを舞台とした頂上決戦で見られる桜模様が、今から楽しみでならない。(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)

スポナビ予想チームが3連複8,560円を見事に的中!

 好評連載中の競馬予想AI『VUMA(ヴーマ)』対スポーツナビ競馬チームによる「秋のGI予想対決・11番勝負」は、VUMAのGI・7レース連続的中に期待が集まったものの、◎リアアメリアが末脚不発で無念の連勝ストップ。しかし、スポーツナビ競馬予想チームの◎レシステンシアが快勝。さらに△マルターズディオサが2着、△クラヴァシュドールが3着に入り、3連複8,560円を的中しました! ありがとうございます!!

 VUMAがたとえ外れてもスポナビが当てる――そんな絶好調「秋のGI予想対決・11番勝負」の次回第10番・朝日杯FSもぜひご期待ください!

2/2ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント