連載:0.0%に挑んだ八村塁とそれを支えた人たち

トレーナーが述懐する高校時代の八村塁 米留学に際して感じた一抹の不安とは?

丹羽政善
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高校時代の八村を知る高橋トレーナー

マウイ・インビテーショナル決勝でデューク大相手に奮闘する八村(右) 【Getty Images】

 昨年11月21日、ハワイ・マウイ島。

 古い街並みに、かつてハワイ王国の首都だった面影が残るラハイナから北へ車で数分。少し丘を上ったところにある小さな体育館へと、渋滞の列が南北から伸びていた。

 サンクスギビング(感謝祭)前日に行われる伝統のマウイ・インビテーショナル決勝は、今年のドラフトで全体の1位指名されたザイオン・ウィリアムソン(ペリカンズ)らを擁する全米ランク1位のデューク大に対し、八村塁(ウィザーズ)が主力に成長した全米ランク3位(いずれも対戦時)のゴンザガ大が挑むという興味深い構図となり、ローカルファンの話題をもさらっていた。

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 試合展開は期待に違わず濃い内容。序盤はゴンザガ大が優位に進めたが、終盤になってもつれ、最後は一進一退の攻防に。ただ残り2分を切って、八村が立て続けにブロックショットを決め、さらにリバウンドをもぎとるなど存在感を発揮すると、ゴンザガ大が逃げ切っている。表彰式で合わせて発表された大会MVPには、トーナメントを通じて安定した活躍を見せたその八村が選ばれたが、そのとき客席から特別な眼差しを向ける日本人がいた。
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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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