連載:号砲鳴る「大学三大駅伝」

校内放送から始まった東京国際大駅伝部 大志田監督が描く成長の軌跡とは?

酒井政人
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駅伝部が創部した2011年から指揮を執る大志田秀次監督。学生時代は名門・中央大で箱根路を駆け、4年時に8区で区間賞を受賞した 【撮影:熊谷仁男】

 想像を上回る快進撃に、多くのファンが驚いた。大学駅伝の新興校・東京国際大が全日本大学駅伝予選会で、トップ通過を勝ち取ったのだ。創部9年目にして充実のときを迎えつつある同大駅伝部は今季、伊藤達彦(4年)とイェゴン・ヴィンセント・キベット(1年)のWエースを中心に、“大学初”の快挙を連発。著しい成長を続けている。2011年の創部時から指揮を執る大志田秀次監督に、その軌跡と今季の展望を聞いた。

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箱根を制した名将のゼロからの挑戦

 6月に行われる全日本大学駅伝予選会は例年、大混戦となる。1万メートルレース×4組。各組に1校2名が出走し、8人の合計タイムで順位が決まる。しかし、初夏のトラックレースは蒸し暑く、有力校といえども神経をすり減らすような戦いが続く。

 東京国際大はこれまで、全日本大学駅伝の予選会を一度も突破したことがなかった。今季、チームは通過ラインの「5位以内」を目標に掲げていたが、予選会での快走劇はライバル校を驚かせた。中央大、明治大、早稲田大などの名門校を抑えて、トップ通過を勝ち取ったからだ。

 全日本大学駅伝の初出場を決めた東京国際大は今季、“大学初”の快挙を連発している。エース・伊藤達彦は、7月にイタリア・ナポリで行われたユニバーシアードのハーフマラソンに出場。同大駅伝部初の“国際大会代表”で銅メダルを獲得した。9月の日本インカレ5000メートルでは、ケニア人留学生のイェゴン・ヴィンセント・キベットが13分35秒75で優勝。チームとして初の“日本一”に輝いている。
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著者プロフィール

1977年愛知県生まれ。東農大1年時に箱根駅伝10区に出場。陸上競技・ランニングを中心に取材。現在は、『月刊陸上競技』やビジネス媒体など様々なメディアで執筆中。『箱根駅伝ノート』(ベストセラーズ)など著書多数。

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