佐々木、森下らプロ注目選手が豪華共演 侍J壮行試合は意地がぶつかる好ゲームに

沢井史

序盤は高校代表が主導権を握る

高校代表の先発・佐々木は、最速156キロをマークするなど、持ち味を存分に発揮 【Getty Images】

 今年で4回目となる高校日本代表と大学日本代表の侍ジャパンU-18ワールドカップ(韓国、30日開幕)壮行試合が明治神宮球場で行われた。大学代表の先発は森下暢仁(明治大)、高校代表の先発は佐々木朗希(大船渡)。今年のドラフト会議を賑わすであろう両右腕の先発ということもあり、どれだけ目が釘づけになる場面に出会うのか、1球1球に目が離せなかった。

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 先にマウンドに立ったのは森下暢。初回を遊飛、遊ゴロ、三振とわずか8球で三者凡退に斬って取る順調な立ち上がりだった。だが、その裏に登板した佐々木は150キロをゆうに超える剛速球を立て続けに投げ込み、大学生のバットを幻惑させた。2番・小川龍成(国学院大)に対しては3球目でこの日最速の156キロをマーク。投げる度にスタンドの観客からはどよめきが起き、両ベンチもざわつく。やはり佐々木の球は別格だということがうかがえた。

 試合が動いたのは2回表。高校代表は4番・石川昂弥(東邦)の中前二塁打を皮切りに相手のエラーも絡んで先制した。4回にはまたも安打を放った石川、5番の遠藤成(東海大相模)の安打で2死一、二塁となり、6番の熊田任洋(東邦)の適時打でさらに1点を加えた。

大学代表も反撃、1点を争う好ゲームに

大学代表の海野は、1本塁打を含む2安打1打点をマーク 【Getty Images】

 だが、大学代表も黙ってはいない。4回には高校代表の2番手で登板していた宮城大弥(興南)から、3番・柳町達(慶応大)の二塁打、4番・牧秀悟(中央大)の適時打で1点を返すと、6番の佐藤都志也(東洋大)の適時打で同点(打者走者の佐藤は走塁死)、7番の海野隆司(東海大)のソロ本塁打で逆転に成功した。

 その後、高校代表は5回にまたしても石川が逆転2点適時打を放ったかと思えば、大学代表は6回に牧の本塁打で同点に。互いの投手が持ち味を発揮したかと思えば、打線が再び攻めるなど、1点を争う接戦のまま終盤を迎えることになった。

 9回表。高校代表の代打で登場した武岡龍世(八戸学院光星)が右翼線へ二塁打を放ってチャンスを作ると、次打者の熊田が犠打を決め、途中出場の8番・山瀬慎之助(星稜)のセーフティスクイズで勝ち越しに成功した。だが、その裏に大学代表は古川裕大(上武大)が振り逃げで出塁すると、途中出場の大学代表の主将・篠原涼(筑波大)が中前適時打(送球間に二塁へ進塁)。さらに篠原は隙を見て三盗を成功させ、一打サヨナラの場面を作った。だが、5番手で登板していた飯塚脩人(習志野)が伸びのあるストレートで最後の打者・児玉亮涼(九州産業大)を三振に斬って取りゲームセット。試合は5対5の引き分けに終わった。

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著者プロフィール

大阪市在住。『報知高校野球』をはじめ『ホームラン』『ベースボールマガジン』などに寄稿。西日本、北信越を中心に取材活動を続けている。

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