佐々木、森下らプロ注目選手が豪華共演 侍J壮行試合は意地がぶつかる好ゲームに

沢井史

大学代表監督も高校生の健闘ぶりを絶賛

キレのあるストレートなど、森下暢は随所ですごみを見せた 【写真は共同】

 試合後のインタビューで、大学代表の生田勉監督は「高校代表は去年、良い選手が多かったけれど、今年は去年以上に良い選手が多かった」と高校生の健闘ぶりを絶賛。注目の佐々木投手については「とにかく度肝を抜かされました。(7月に開催された)日米大学野球でも良いボールを投げるピッチャーが多かったですが、佐々木君はそれくらい良いボールばかりでした」と圧巻のピッチングに舌を巻いた。

 先発の森下暢は、キレのあるストレートを低めに集めてはいたが「高校生に自分の力を見せつけたかったけれど、少し力みがありました」と反省の言葉を並べた。それでも、力だけでなく技も絡めた投球術は見せつけたように思う。7番手で登板した吉田大喜(日本体育大)のキレのあるストレートも素晴らしかった。一方の高校代表の永田裕治監督は「よく粘ってくれました。(世界大会を見据え)大学生相手でも本気で勝ちにいった。力だけではかなわないので、足や小技なども使ったつもりです。大会では先を見ずに一戦必勝で戦っていきたい」と話した。

万全の状態で臨みたい本大会

30日開幕のU-18ワールドカップは、万全の状態で戦いに臨んでほしいところだ 【Getty Images】

 佐々木のピッチングにどうしても注目が集まってしまうが、この日3安打2打点を挙げた石川、1安打1打点の熊田とセンバツ優勝コンビが気を吐いた。夏の大会は愛知大会で敗れて甲子園を逃しただけに、意地を見せた格好でもある。石川は「4番として良い仕事ができました」と胸を張った。愛知大会後は木製バットで打撃練習に励んできており、永田監督は夏休みの間もモチベーションを切らさずに対応力を磨いてきた石川を評価した。

 一方で外野手が今回2人しか選出されておらず、この壮行試合では本職が遊撃手の森敬斗(桐蔭学園)が中堅を守り、守備でややヒヤヒヤする場面もあった。だが、10日間で最高9試合を戦う大会の中で、いざ、異国の地に踏み入ると、急に不調に陥ったり、ケガをする選手も少なくない。そのため、さまざまなフォーメーションを試さなくてはならず、こういったイレギュラーなことも経験しなくてはならない。

 短期間の大会ではそういう選手が出てくると戦いに大きなダメージを与えてしまうため、今のうちにポジションを試しながら調子の良い選手を起用していく。ちなみに9回の中前打をバックホームする際に森が足をつって試合が一時中断したが、試合後、森は自力で歩けるようになっており、大きなケガではないのはひと安心。もちろん、ケアをしながらの本番にはなるが、今回が初めての海外という選手が半数近いこともあり、今回の日本での最終練習の中で確認できる事項はしっかりと見極め、選手たちが万全の状態で戦いの地に降りたてることを願いたい。

2/2ページ

著者プロフィール

大阪市在住。『報知高校野球』をはじめ『ホームラン』『ベースボールマガジン』などに寄稿。西日本、北信越を中心に取材活動を続けている。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント