「魔球」で世界の打者を翻弄した田浦文丸 人生をかけて挑んだ侍ジャパンでの戦い
田浦は2017年のU-18ワールドカップで快投を見せ、人生を変えた 【Getty Images】
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プロに行くために「絶対に結果を残す」
「自分としては、どうしてもプロに行きたくて。甲子園でまったくダメだったので、その中でU-18というチャンスをいただけた。そこで結果を残そうということしか考えていませんでした」
秀岳館では2年春から4季連続で甲子園に出場し、2年春から3年春にかけては3季連続で4強入りした実績を持つ。最上級生となってからは、いずれも140キロ台後半の直球を誇る川端健斗(現・立教大)と左のダブルエースに君臨した。3年夏は熊本大会の初戦以降すべてリリーフに回り、5試合無失点と文句のつけようのない投球を披露。しかし、甲子園では足をつるなどアクシデントに見舞われ、2試合で5回3分の1、6失点。更新を狙った最速も140キロにとどまった。
「夏が始まる前から“ジャパンに選ばれたい”とは思っていました。一次候補からは外れていましたが、チャンスはまだあるだろうと。何より川端が一次に選ばれていたので。悔しかったし『自分も!』という気持ちは常にありました」
甲子園の1回戦で横浜に勝利した後「もしかしたら選ばれるかもしれない」と、当時の鍛治舍巧監督(現・県立岐阜商監督)に告げられた。その時の田浦は目の前の甲子園大会に集中しきっており、実感はまったく湧かなかったという。広陵の中村奨成(現・広島)に一発を喫し、2回戦で敗れた数日後「代表入り」の吉報が田浦の元へ届いた。「甲子園から帰ってきても、地元の福岡に帰省してゆっくりできたのは2、3日ぐらい」と田浦。すぐに学校に呼び戻され、必要書類を整える作業などで、あっという間にチーム合流の日がやってきた。
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