連載:指導者として、レジェンドたちが思うこと

二軍監督として半年、松井稼頭央のいま 「若い選手と一緒に学んでいきたい」

ベースボール・タイムズ
 昨季限りで日米通算25年の現役生活にピリオドを打った松井稼頭央。引退会見で「野球を好きで始めて、今もまだ野球が好きです。この先も好きであり続けるであろうと思います」と語った男は、引退即、埼玉西武の二軍監督に就任し、今季から若手、後進の育成に当たっている。43歳、新たな野球人生をスタートさせた中で、何を思うのか。本格的な夏到来を前に、所沢市にある西武第二球場を訪ねた。

「一度は二軍の監督をやってみたいと思っていた」

指導者となってシーズン半ばとなったいま、松井稼頭央は何を思うのか 【花田裕次郎/ベースボール・タイムズ】

――埼玉西武ライオンズの二軍監督に就任して半年が過ぎました。現役時代との違いを日々、感じていることかと思いますが?

 そうですね。まるっきり違いますね。身体的な疲れはそれほどないですけど、とにかく脳が疲れます(苦笑)。

――脳が疲れるというのは、やはりいろいろと考えないといけないことが増えた?

 はい。現役の時と違って、ピッチャーも見ないといけないですし、もちろん野手も見ないといけない。チーム全体を見ないといけない中で、自分自身の視野の狭さを感じますし、まだまだ足りないものがあると感じる毎日ですね。他のコーチ陣がいろいろと助けてくれるので助かっています。

――あらためて昨年、二軍監督のオファーがあった時の気持ちは?

 まさか、いきなりこのようなオファーをもらえるとは思っていなかったですね。自分の中ではもっと先のことかなと思っていました。一度は二軍の監督をやってみたいと思ってはいましたけど、急すぎたんで……(苦笑)。でも、声をかけてもらえたということに本当に感謝していますし、頑張らないといけないと、身の引き締まる思いでした。そこからは本当、日々勉強することばっかりです。

――二軍の監督を一度はやってみたかったということですが?

 若い選手たちが成長していく姿を見るというのはやっぱり楽しい。二軍には若い選手が多いですし、その過程で自分も一緒に汗をかいて、一緒になって成長していきたいという思いを持っていましたから。

今も続けるトレーニング「(体は)少し大きくなりました」

「体は動くようにしないといけない」とトレーニングを続けている 【花田裕次郎/ベースボール・タイムズ】

――イースタン・リーグはすでにシーズンの半分以上の試合を消化しました。二軍監督としての一日の過ごし方にも慣れたかと思いますが?

 はい。その部分はだいぶ慣れましたね。

――毎日どのようなスケジュールで動くことが多いのでしょうか?

 まずは朝、球場に来てからトレーニングをしています。ビジターの時も早めに行って汗を流していますね。身体を動かすとスッとする。部屋にこもっていると、ずっと考え込んでしまうので……。監督としては考え込まなきゃいけないんですけど、メリハリとして、チームの練習が始まる前に少し自分の時間を作って、30分か40分、ウエートトレーニングをして汗を流してます。練習ではバッティングピッチャーもしますし、野手の送球を受けたりもするので、体は動くようにしないといけないですしね。

――体重も現役時代と変わらないでしょうか?

 はい、ぜんぜん。逆にウエートをしてるから、鍛えられて、少し大きくなりましたね。どこを目指してるのかって思いますけど……(笑)。でもまぁ、トレーニングすることがいい気分転換になってますね。

――家族と一緒に過ごす時間も気分転換になるかと思いますが、その家族との過ごし方も現役時代からは変化したのでは?

 そうですね。でも今、家に帰ったら僕、すぐに寝ちゃうんで……(笑)。ホームでの試合だったら、だいたい家に帰るのが7時半か8時。そこからご飯を食べて、一軍の試合を見て、終わったらすぐ寝てます。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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