セ・パで違いが見える応援歌事情
人気ランキング11万票の熱き思いを分析
オリックスの応援を覚えようとするファンの図。あくまで想像です
オリックスの応援を覚えようとするファンの図。あくまで想像です【カネシゲタカシ】

 アンケート結果をもとにした応援歌コラムの執筆を快諾したまでは良かった。だが、後日スポナビ担当者から「14球団で11万を超える投票をいただきました」と聞いたとき、頭がクラクラした。受け止められるのか、その熱き思い? ランキング結果をみながら徒然なるままに書いてみたい。まずはパ・リーグから。

男女別パート応援歌はもっと普及すべき

 12球団で最も好きな応援歌を挙げろと言われれば、僕は埼玉西武の「チャンステーマ4」を挙げる。獅子の誇りを感じさせる壮大なメロディ、男声パートと女声パートが合流し、畳み掛けるサビの力強さ。最高だ。西武ファンも気持ちは同じようで、「チャンステーマ4」はランキングでダントツの支持を集めた。


 なお、プロ野球応援歌の世界に「男女別パート」を導入したのは北海道日本ハムの「チキチキバンバン」が最初である。その偉業をたたえるかのように、「稲葉ジャンプ」で語り継がれる稲葉篤紀の応援歌を僅差で抑え、「チキチキバンバン」が日本ハム応援歌の第1位にランクインした。ファンの支持をみるに、男女別パートの文化はもっと普及してもよいのではないか。

最も覚えることが多い球団は?

 12球団で最も覚えることが多い応援スタイルの球団、それは間違いなくオリックスだろう。過半数超えの支持を得て堂々1位に輝いた吉田正尚の応援歌も「通常バージョン」と「境地バージョン」の2パターンがあり、それぞれ「奇数回」と「偶数回」で歌詞が異なったり、「イントロ」「Aメロ」「サビ」があったりと、凝りに凝っている。


 そんなオリックスの長尺応援歌の数々は、ときに身内からも「やりすぎ」といわれる始末。さらに名物・タオルダンスもあることから、新規ファンは実に忙しい暗記の日々を送ることになる。

最もカロリー消費量が多い球団は?

 覚えることが多いのがオリックスなら、最もカロリー消費量が高いのは千葉ロッテの応援だろう。“体力系”は広島のスクワット応援も有名だが、ロッテの応援はチャンスが続くかぎりジャンプ、ジャンプ、ジャンプ! いつしかロッテファンは「飛ぶフリ」をマスターするというが、真偽の程は定かではない。


 そんなロッテのランキングには、他球団ファンが帰りの京葉線で思わず口ずさむ名曲の数々がずらりと並ぶ。ロッテといえば応援、応援といえばロッテ。そして、ロッテといえば福浦和也。福浦の応援歌が第1位にランクインしたのは歴史の必然だ。

「主力じゃないのにランクイン」の謎

 基本的に「応援歌の人気」は「演奏された回数」に比例する。聞けば聞くほど愛着がわき、選手らの雄姿の記憶もより深く刻まれる。そうなると「好きになるな」というほうが無理である。


 今回のランキングでも、ほとんどの球団で主力選手の応援歌や、長年親しまれるチャンステーマが上位を占めた。ところがそうではないパターンもある。


 たとえば元楽天の枡田慎太郎。ケガなどもあり不動のレギュラーの座はつかむことなく引退したにもかかわらず、その応援歌が第3位にランクインした。これは純粋に楽曲の良さが評価されたのだ。確かに枡田の応援歌はエモーショナルなメロディが実にカッコ良い。


 また、強打者がひしめく西武のランキングでトップ5に食い込んだのがコーディ・ランサムの応援歌だ。歌う者に無用な緊張を強いる高低差激しいメロディーとクセだらけのリズム。発表直後から「中毒性が高い」と話題になったのは記憶にあるが、まさかトップ5に食い込むとは。2014年のみの在籍で、出場はわずか38試合。ランサムは、応援歌のインパクト“のみ”で後世まで語り継がれる稀有な選手となった。

カネシゲタカシ
カネシゲタカシ

1975年生まれの漫画家・コラムニスト。大阪府出身。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にてデビュー。現在は『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)等に連載を持つほか、テレビ・ラジオ・トークイベントに出演するなど活動範囲を拡大中。元よしもと芸人。著書・共著は『みんなの あるあるプロ野球』(講談社)、『野球大喜利 ザ・グレート』(徳間書店)、『ベイスたん』(KADOKAWA)など。

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