離脱中の守護神、エースに打線の柱…データで導くパ・リーグ後半戦キーマン
各球団の前半戦のデータをもとに、後半戦のキーマンと目される選手をそれぞれ1名ずつピックアップして紹介したい。今回はパ・リーグ編。
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リリーフ陣に不安を残すソフトバンク。ここは守護神・森の復帰が待たれる 【写真は共同】
※紹介順は前半戦終了時の順位に基づく
ソフトバンク(1位):森唯斗の復帰で盤石の投手リレーへ
【データ提供:データスタジアム】
不安材料があるとすれば、一つは前半戦でMVP級の打撃を見せたグラシアルがキューバ代表の国際大会に出場するために、一時チームを離れてしまうこと。もう一つが“らしくない”リード時の敗戦の多さだろう。
ソフトバンクといえば救援陣がリードを守りきる試合運びが特徴で、絶対的守護神だったサファテを欠いた昨季もその点は健在だった。ところが、今季は6回終了時点でリードしていた試合の敗戦が7と、シーズン折り返しの段階で昨季よりも多くなってしまっている。
この点を改善しうる存在の一人が、6月16日に右背部痛で登録抹消された森唯斗だろう。森の離脱中は甲斐野央、椎野新らフレッシュなメンバーが勝利の方程式を担ったが、ここに守護神の森が戻ってくれば他球団が隙を見いだすのはますます難しくなる。盤石の投手リレーが見られるようになれば、ソフトバンクの覇権奪回は半ば成ったようなものだ。
日本ハム(2位):後半戦も見たい有原航平の“奮投”
【データ提供:データスタジアム】
そんなチームにあって、前半戦で最も目覚ましい活躍を見せたのは、千賀滉大(ソフトバンク)と並んで2ケタ勝利まであと1つに迫っている有原航平ではないだろうか。
先発ローテーションに欠かせない存在ではあったものの、ここ2年は防御率4点台後半と物足りない成績だった有原が、ここまでは防御率2.23と成績を改善させている。大きな変化として今季は要所で三振を奪えるようになっていて、得点圏の被打率.131とピンチを迎えても相手に痛打を許さなくなった。もとより四球から崩れるような投手ではなく、三振を奪う力が増したことで、例年にはなかった安定感を発揮しているようだ。
上沢直之が左膝に打球を受けて今季中の復帰が絶望的で、先発として長いイニングを投げてブルペン陣の負荷軽減を期待できる存在は、もはや有原ただ一人。後半戦も変わらない“奮投”を披露できるかどうかが、チームの行方を左右するだろう。
西武(3位):山川穂高の猛打爆発なるか
【データ提供:データスタジアム】
投手陣では高橋光成や今井達也といった若い力に続くべく、ベテランの奮起が求められるところ。しかし、西武があくまで打のチームであることを考えれば、後半戦のカギを握るのは4番の山川穂高といえそうだ。
打のチームである西武にとって、不動の4番・山川の打棒がそのまま成績に直結してもおかしくない 【写真は共同】
オールスター直前のソフトバンク3連戦で、トンネルを抜け出す2本塁打を放った山川。9・10月度は2年連続で月間MVPに輝いているだけに、シーズン終盤の猛打に期待したいところだ。
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