連載:逆襲の大阪桐蔭

苦しんだ末、ようやく今、戦力が整った! 王者・大阪桐蔭、2019年夏の布陣

瀬川ふみ子
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背番号「1」は元U-15日本代表の中田

中田(写真左)と新井(写真右)のWエースと、投手陣をリードする石井(写真中央)。3年生バッテリーは監督の信頼も厚い 【スリーライト】

“春夏連覇の次の代”である今年のチーム。春の選抜甲子園出場を逃しただけでなく、秋、春とも大阪大会で優勝できていないが、ライバル校たちは、当たり前のように大阪桐蔭を警戒している。「夏にはきっちり仕上げてくるのが桐蔭」ということも知っているし、それ以前に、「選手個々の力がある」ということも分かっているから。根尾昂(中日)、藤原恭大(千葉ロッテ)というドラフト1位になり得るようなスーパー高校生はいないものの、ポテンシャルの高い選手は複数いるのが大阪桐蔭だ。

 その筆頭が、中田惟斗(3年)。中学時代はU-15日本代表にも選出され、この世代のトップクラスと言われた逸材。1年秋からベンチ入りを果たしながら、翌春の選抜甲子園ではベンチ外。自分たちの代になった昨秋は、背番号「1」を背負ったが、ケガにより満足に投げることができないまま大会を終えた。
 
 そんな中田はケガから復調し、春以降、どんどん調子を上げている。3〜4月は短いイニングの抑えで経験を積み、5月からは先発。6月に入ると完投もできるようになった。土日の“連投テスト”もクリアし、一本立ちしたのだ。

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 西谷浩一監督は「もともとパワーピッチャー。ケガから復帰して、じっくり調整してきましたが、球に力がついてきたことに加え、変化球も戻ってきて万全になってきました。3年間の集大成で中田がしっかりやってくれると、うちにとっては大きいですね」と評価。期待とともに昨秋の大阪大会以来の背番号「1」を託した。

 その中田は、「2年春の選抜甲子園のベンチに入れなかったのも、自分の力のなさと、グラウンド内外でのことがちゃんとできていなかったからです。それに気付いてからは、普段からの態度や取り組む姿勢をあらためて頑張ってきましたが、昨秋はケガでチームに迷惑をかけてしまいました。甲子園で勝ち続ける先輩たちを見て、自分たちも普通に甲子園に出て勝てると思っていたけど、甘かったです。でも、やっとここにきて調子が上がってきました。球質も良くなってきているし、体幹を一から作り直してきたことで球速も出てきました。夏は、今までの分を取り返すつもりで投げていきたいです」と意気込みを語っている。
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