連載:逆襲の大阪桐蔭

大阪桐蔭の目の色を変えた春の光景 悩み苦しんだ1年…“意地”見せられるか

瀬川ふみ子
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気持ち入れ替え再始動

昨夏、100回目の夏の甲子園を春夏連覇の偉業で優勝した大阪桐蔭。「最強世代」とも称された世代が卒業し、次なる世代が夏に挑む 【写真は共同】

「優勝旗、7本あったんですけどね……返すばかりでまだ1本も取り返せていないので、ついに1本になってしまいました」と話すのは、大阪桐蔭の有友茂史硬式野球部部長。今年の大阪桐蔭は、まだ優勝がない。

 他の高校だったら、優勝旗が1本でもあれば「スゴイ!」となるところだが、大阪桐蔭ともなると、1本しかないのは“寂しいこと”として語られる。それぐらい、優勝が身近にある高校であり、優勝しないと「どうした?」と言われてしまう高校なのだ。

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 そんな大阪桐蔭。前チームが昨年8月21日の甲子園決勝まで戦っていたため、おのずと新チームは、日本一遅いスタートとなった。だが、「そうなる(夏も全国制覇をする)と想定し、5月14日には新チームをスタートさせていました」と西谷浩一監督。春夏連覇を狙う前チームと並行して、新チーム(Bチーム)の練習試合を5月からたくさん組み、試合経験を積んできた。

 北大阪大会が行われる7月、甲子園大会期間中の8月は練習試合ができないため、紅白戦を行うなどして経験を積み、そして8月22日、本格的にスタート。それから10日後には、もう秋季大会が始まった。「やはりバタバタしました。春からスタートしていたとはいえ、大会直前の練習試合の数も少なかったですし」と西谷監督。「でも、それは言い訳になるので」と付け加えた。

 キャプテンは、中野波来(はる)。副キャプテンは宮本涼太。前チームのベンチに入っていた二人であり、先輩たちも、同級生の仲間たちも、西谷監督も、全員一致でこの二人に決まった。

「春夏連覇を下級生ながら経験した者として、その代のいい部分を引き継いでいき、自分たちの“色”をしっかり出しながら新たなチームを作っていこうと。そして、自分たちの代でも甲子園に出場し、優勝できるように頑張っていこうと宮本とも話していました」(中野)
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