プロローグ

 言霊という言葉がある。文字通り、言葉には魂があるという意味だ。言った本人が覚えていない何気ない言葉でも、相手は何十年たっても覚えているということがある。それは、言葉に魂が宿っているからに他ならない。

 だが、誰もが魂の宿る言葉を発せられるわけではない。「こう言えば子供たちは喜んでくれるだろう」。そんな気持ちで発言された言葉は、本気の人間には見透かされてしまう。逆にいえば、いくら本物の言葉を聞いていても、聞く側も本気でなければ、心に響かない。話す人と聞く人の心のピントが合っていなければ、名言は生まれない。
 本気で選手たちと向き合い、本気で甲子園を目指し、本気で日本一を目指しているからこそ生まれる言葉。本気の人間だからこそあふれ出てくる想いが、選手たちを動かしている。

 みなさんも、ぜひ本気で監督たちの想いを感じ取ってください。言霊を受け取ってください。そこには、野球だけではなく、他のスポーツや組織、ビジネスにも活かせるヒントがたくさんあるはずです。もちろん、人生にも――。監督たちの熱い言葉を通じて、みなさんにも、本気のメッセージが伝わりますように。(田尻賢誉/2019年4月掲載)

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やる気にさせる高校野球監督の名言ベスト66

写真提供:ベースボール・マガジン社

甲子園出場経験のある22人の監督による、人を育てる言葉の数々。高校野球取材歴20年の著者が、これまでに出会った名言から厳選し一冊にまとめた。スポーツにもビジネスにも活かせる、育成のバイブル。

スポーツナビ未掲載を含む全66の名言を収録。

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