連載:日本バスケの歴史を変える男の物語

八村塁はどんな時間を過ごしていたか 「衝撃」のNBAドラフト舞台裏

丹羽政善
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その瞬間、どよめきが起こった

八村がNBAドラフト1巡9位でウィザーズに指名された瞬間、会場のバークレイズ・センターにどよめき起こった 【Getty Images】

 衝撃だった。1巡目9位。八村塁はトップ10で指名された。歴史が動いた。

 指名したのはウィザーズ。どちらかといえば、意外。噂すら、報じられていなかった。会場となったバークレイズ・センターには、どよめきが沸き起こった。

 しかし、八村は平然と言い放った。

「全然、想像内のこと」

 ある程度、聞かされていたようだ――ウィザーズが9位で指名すると。

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 アダム・シルバーNBAコミッショナーが、「RUI HACHIMURA」の名前を口にしたのは、午後9時前(米東部時間、日本時間の午前9時30分ごろ)のこと。

 さかのぼることおよそ3時間。スポンサーのイベントを終えた八村は、1時間ほど1巡目指名権が濃厚な選手らが待つグリーンルームで一人きりになった。

 その間、八村を指名するとも噂されたティンバーウルブスが、1巡目11位の指名権をダリオ・シャリッチとセットにして、サンズの1巡目6位指名権と交換したというニュースが流れた。また、ペリカンズが1巡目4位、2巡目57位について、ソロモン・ヒルをホークスにトレードし、1巡目8位、17位、2順目35位の指名権を獲得したとも報じられた。

 いずれも自分の指名に影響しうる動きがある中で、八村はどんな時間を過ごしていたのか。
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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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