連載:私たちが現役を諦めない理由

仙台でプレーする夢をかなえた佐藤あり紗 「今がバレーボール人生で一番楽しい」

田中夕子
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目標のVリーグ昇格に向けて一歩ずつ。佐藤あり紗を中心に、リガーレ仙台はどんな成長曲線を描くのか 【撮影:熊谷仁男】

 地元・宮城の「リガーレ仙台」で活動する日々。決してエリートとは言えない選手たちのなかで、唯一佐藤あり紗だけが五輪出場経験を持つ。地元での知名度も抜群で、多くの人から「応援しているよ」と声をかけてもらうことが、今はたまらなくうれしい。

 スポンサーを獲得する難しさを感じながらも、応援してくれる人たちの期待に応えるためにも強くなり、結果を残すことが大事。やらなければならないことはたくさんある。でも間違いなく言えるのは、今が一番楽しい。

「こんなにちっちゃいのに、今はスパイクも打ってジャンプフローターサーブも打つんですよ。笑えますよね」

 新たな場所で、自ら切り開く道。幸せなバレーボール人生だ。今は心からそう思う。

リガーレ仙台のカラーを私たちでつくりたい

チームは12人そろったばかり。これからリガーレ仙台の挑戦が始まる 【撮影:熊谷仁男】

――リガーレ仙台のチームメートはどんな方々ですか?

 スタートした時は3人でした。監督の船崎(恵視)さんや、コーチ登録だった元久光製薬の雨堤(みなみ)さんなど、私も含めVリーグ経験者もいますが、あとはトライアウトをして集まった選手です。ほとんどが4年制大学出身で、レギュラーではなくサポートに回っていた選手も多くいます。Vリーグのチームから話があったような選手はいませんが、自分から「このチーム、リガーレ仙台でやりたい」とトライアウトを受けに来てくれた選手ばかり。このチームに入ってきてくれてありがとう、という思いでいっぱいです。

――いろいろなメンバーがいるからこそ佐藤選手に刺激はありますか?

 楽しいですね。最初からそろって、できあがっているチームカラーもないので自分たちでつくりあげる。今いるメンバー、スタッフで1からつくれることがすごく魅力的です。

――どんな色をつくろうとしていますか?

 リガーレは「結ぶ」「つなぐ」という意味があります。チームとしては地域の方々とつながり、愛されるチーム、選手でありたいというのが大きなコンセプト。ユニホームカラーの緑は杜の都の緑、赤は女性らしさ。まだまだ始まったばかりです。
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著者プロフィール

神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、『月刊トレーニングジャーナル』編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。著書に『高校バレーは頭脳が9割』(日本文化出版)。共著に『海と、がれきと、ボールと、絆』(講談社)、『青春サプリ』(ポプラ社)。『SAORI』(日本文化出版)、『夢を泳ぐ』(徳間書店)、『絆があれば何度でもやり直せる』(カンゼン)など女子アスリートの著書や、前橋育英高校硬式野球部の荒井直樹監督が記した『当たり前の積み重ねが本物になる』『凡事徹底 前橋育英高校野球部で教え続けていること』(カンゼン)などで構成を担当

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