連載:ドイツ2部で戦う男たち

中央でのプレーや戦術メモのこと、長谷部への憧れ…酒井高徳が語りまくる

島崎英純
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監督交代により中央でのプレー機会が増加

シーズン途中に監督が代わり、酒井高徳は中央でのプレー機会が増えた 【島崎英純】

 し烈な昇格争いを繰り広げる中で、ハンブルガーSV(HSV)の酒井高徳は、チーム全体を慮った上で忌憚のない意見を述べる。今季もクラブは昨季途中から指揮を執り2部で首位を堅持していたクリスティアン・ティッツ監督を更迭し、かつてシュツットガルトで監督を務めたハネス・ボルフをシーズン途中に招へいした。
 クラブ内に不穏な空気が潜む。その一方で、ひとりのプロサッカー選手である酒井は向上心を失わず、新たなる挑戦に臨む覚悟を決めている。ボルフ監督との出会いは、そんな彼のポテンシャルを最大限に引き上げるきっかけになるかもしれない。

 今のボルフ監督が採用するシステムは対戦相手によって若干異なるものの、基本布陣は「4−2−3−1」。酒井は右サイドバック(SB)で起用されているが、今の彼はチーム戦術に則り、サイドのエリアに留まらず中央のエリアでもプレーする。

「(中央でもプレーすることに関して)監督も僕がここまでうまく役割をこなしてくれる感覚はなかったと思うんです。もちろん信頼はしてくれていたと思うんですけれど……。ただ(SBが中央へシフトするのは)一見攻撃的で戦術的にポゼッションに特化したポジション取りに見えるんですけれど、それには背景がある。良いポゼッションをしたい。そのためには相手カウンターのケアとリスクマネジメントが必要なんだと。あるいは一旦相手にボールを取られてからの2次攻撃で良いポゼッションをするためのポジショニングが重要なんだと。

 元々周りをケアしながらプレーできるのは僕の強みでもあった。チーム全体のバランスを取る動きは長年ドイツでやってきたことでもある。その意味では今のポジション、僕の役割は合っているのかなと感じています。試合によってはボランチを任されることもあるんですけども、真ん中でプレーする際の違和感もなく、味方を使ったりしてバリエーションを駆使して動けるので、このポジションに楽しみを感じています。
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著者プロフィール

1970年生まれ。東京都出身。2001年7月から06年7月までサッカー専門誌『週刊サッカーダイジェスト』編集部に勤務し、5年間、浦和レッズ担当記者を務めた。06年8月よりフリーライターとして活動。現在は浦和レッズ、日本代表を中心に取材活動を行っている。近著に『浦和再生』(講談社刊)。また、浦和OBの福田正博氏とともにウェブマガジン『浦研プラス』(http://www.targma.jp/urakenplus/)を配信。ほぼ毎日、浦和レッズ関連の情報やチーム分析、動画、選手コラムなどの原稿を更新中。

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