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長友佑都手記『ありのままの自分』
「糖質管理」で得たパワーと回復力

復帰のめどは膝の状態を見ながら

けがの治療中は食事も本当に大事。加藤シェフ(右)との食トレにも力を入れています
けがの治療中は食事も本当に大事。加藤シェフ(右)との食トレにも力を入れています【写真提供:長友佑都】

 こんにちは。ガラタサライの長友佑都です。


 クラブからも発表がありましたが、後十字靱帯(じんたい)を損傷してしまいました。今は治療を進めながら、すでにリハビリも開始しています。膝まわりの筋肉の補強や、バランス感覚を戻すエクササイズなどに取り組んでいる状況です。


 今のように、けがから復帰に向けた期間は食事も本当に大事になってきます。靭帯の主成分である、コラーゲン生成を意識して食べています。必須アミノ酸となる動物性たんぱく質、ビタミンCの摂取は特に意識して取り入れています。動物性たんぱく質ですと、お魚とお肉。ビタミンCが豊富な野菜、フルーツ。お水にも生レモンを絞って摂取するように意識していますね。


 動かせる範囲で筋トレや、他の部位に影響が出ないようなエクササイズをしていきます。感覚に刺激を入れるエクササイズなどもやっていきたい。復帰のめどは膝の状態見て、という感じです。手術をするわけではないし、状態を見ながら、焦らずにと思っています。

糖質を管理する「ファット・アダプテーション」

加藤シェフと試行錯誤を繰り返し、食事法「ファット・アダプテーション」にたどり着きました
加藤シェフと試行錯誤を繰り返し、食事法「ファット・アダプテーション」にたどり着きました【写真提供:長友佑都】

 さて、ここからは前回に続いていま取り組んでいる「新たな食事法」についてご紹介させていただきます。


 加藤超也シェフと僕はもう3年近く一緒に食トレをしています。正直、試行錯誤を繰り返している時期も多かったです。僕は物事に取り組むうえで、理論と体感の両方を大事にするタイプなので、時間がかかりましたね。パン、パスタ、白米など、従来の炭水化物を中心とした食事から、一気に減らしてみたこともありました。でも、そしたら思うようにパワーが出ないな……って思い始めて。シェフに相談もして少しずつ白米やパスタも食べるようになったり、間食を挟んで空腹感を出さないようにしたりしていました。


 そんな試行錯誤が始まって少し経った頃、今から2年前ぐらいですかね。北里大学北里研究所病院の糖尿病センター長である山田悟先生と出会いました。そこから、僕は加藤シェフと血糖値の管理をすることになりました。感覚で始めた炭水化物の増量も、加藤シェフがグラム単位で管理し、血糖値の乱高下を起こさないようにしていきました。これが今取り組んでいる食事法「ファット・アダプテーション」にたどり着いた瞬間でした。

 ファット・アダプテーションとは、一言で言うと「糖質管理食」です。カーボ・ローディング(場合によりグリコーゲン・ローディング)と呼ばれる高糖質食とは異なります。低糖質・高脂質・高タンパクな食事に移行して、上手に脂質を使えるカラダ作りをするのです。上手に脂質を燃やして十分なパフォーマンス向上を得るためには、数週間程度の時間が必要であると言われています。脂質への適応という意味でファット(脂質)・アダプテーション(適応)と呼ばれています。


 日本人をはじめとするアジア人は、食後高血糖になる人が欧米人よりも多いことが知られており、カーボ・ローディングよりもファット・アダプテーションの方が適しているアスリートの比率もその分高いものと予想されているそうです。

一般家庭での取り入れ方は……

 ファット・アダプテーションを始めて一番感じている大きな変化は、エネルギー不足を感じなくなったこと。僕のポジション(主にサイドバック)は縦へのスプリントがとても重要になってくるから、スタミナも瞬発的にパワーを発揮することも両方必要なんです。ファット・アダプテーションを取り入れるまでは、いつもエネルギー不足を感じていました。


 あとは、試合や激しいトレーニングの後の回復が早い。これも、歳を重ねるにつれて回復しづらくなったなと思っていましたが、加藤シェフとの食トレで糖質量を管理して、脂質とタンパク質を多めに取るようにしていたら、筋肉の回復が早くなって、筋肉自体もすごく柔らかくなったんです。もちろんケアもしているけれどね(笑)。


 今では、いろいろ試した結果、この食事法が僕にはぴったりだったと思っています。そして、次の話にも繋がるんだけれど、これはあくまでも「僕には」ぴったりだと思っています。厳密に言うと、食事もトレーニングもみんな個体差があるものだから、自分の身体に向き合うというのは、とても大事だと思います。


 一般家庭や普段の生活に例えるとそうだな、オフィスで働いている人は、お昼ご飯の大盛りご飯を普通盛りにして、おかずをお刺身にするようなイメージですね。そして、家でもできる限り野菜から食べ始めて、赤身のお肉やお魚、大豆製品といったおかずを中心に献立を作ることから始めるのが大切だと思います。こんな情報は、今後何かしらの形でまとめてみなさんに届けられたらいいなと思っています。


<次回へつづく。3月27日(水)に掲載予定>

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