W杯決めたバスケ代表が凱旋会見 比江島「亡き母との約束にはまだ続きがある」

スポーツナビ

W杯出場権を獲得した13名の選手たち 【写真:兼子慎一郎】

「FIBAワールドカップ(W杯)」アジア地区予選を勝ち抜き、21年ぶりに自力での本戦出場を決めたバスケットボール男子日本代表は25日に決戦の地、カタール・ドーハから帰国。成田空港で多くのファンに出迎えを受けた後に、W杯出場決定報告記者会見に臨んだ。

 ホテル日航成田で行われた会見では、日本バスケットボール協会の三屋裕子会長、東野智弥技術委員長、そしてフリオ・ラマスヘッドコーチ(HC)をはじめとするスタッフ、選手が登壇。キャプテンの篠山竜青は「国内のリーグも盛り上げなければいけない」と決意を語れば、エースの比江島慎は「早くW杯でプレーしたい」と、世界の舞台での活躍を誓った。世界への切符を手に入れた13名のメンバーの全コメントは以下の通り。

篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)

篠山は連敗中でも支えてくれたファンに感謝の言葉を述べた 【写真:兼子慎一郎】

「国内リーグも盛り上げたい」

 この予選を振り返ると、4連敗という厳しい状況からスタートしました。そんな中でも支えてくれたのはファンの皆さんの声援であり、後押しだったと思います。カタール・ドーハで行われた最終戦も日本からたくさんのファンが応援に駆けつけてくれて、本当にホームで試合をしているような雰囲気にしてくれました。W杯に出場できるのもファンの皆さんの声援のおかげです。ありがとうございました。

 メディアの方々に取り上げていただいて、新聞でも大きく取り上げてもらったのは本当にうれしく思いますが、これがゴールではなくて出発点だと思います。バスケットボールを日本でもっとメジャーに、そして文化にしていくためにも、世界を驚かせるようなプレーをしていかなければいけないと思います。そのためにも国内のトップリーグでもあるBリーグをしっかり盛り上げていくことが必要だと考えています。

 これからそれぞれが所属チームに帰って、残りのレギュラーシーズンが佳境に入ります。各地で盛り上がりのある試合を見せてくれると思うので、W杯予選をきっかけにバスケットボールに少しでも興味を持ってくれた方には、Bリーグにも興味を持っていただいて、日本のバスケットボールを国内のトップリーグからもう一度盛り上げていけたらと思います。

比江島慎(栃木ブレックス)

「早く世界と戦いたい」と比江島はW杯を心待ちにしている 【写真:兼子慎一郎】

「母との約束にはまだ続きがある」

 4連敗のスタートからこの日を迎えられたことが本当に幸せに感じます。背負うものだったりプレッシャーというのが多い中で、いろいろな経験がありましたけど、でも本当にチームとしても個人としても成長できたW杯予選だったんじゃないかなと。本当に一人一人がしっかり役割を全うして、オーストラリアが相手でも、イランに対峙(たいじ)しても、いろいろなメンバーが代わり代わりでしたが、本当にここまでこれてホッとしています。このメンバーなら、W杯でも素晴らしいプレーができると思っています。早くプレーがしたいという思いです。

(亡くなられたお母様との約束も果たせましたね)W杯の予選でもアウェーまで応援に来てくれたり、もちろんホームでも応援してくれた母も喜んでくれていると思います。でも、五輪でプレーするという約束もしていたので、まだまだ約束には続きがあります。しっかりと準備していきたいと思います。

富樫勇樹(千葉ジェッツ)

富樫は個人だけでなく、チームとしての成長を感じていた 【写真:兼子慎一郎】

「チームとして、個人として成長した」

 予選を突破してうれしい気持ちはありますが、それ以上にこのあと世界と戦うことができる楽しみの方が大きいです。このチームは4連敗した後から1試合1試合と成長をして、Bリーグのレギュラーシーズンの中で予選を戦いました。そこには選手それぞれの努力があると思います。チームとして、個人としてレベルアップしたことが、この結果につながったと思います。世界を相手に戦えることは楽しみでしかない。この予選は、個人としてはいい結果を残せなかったと思っているので、このあとはチームにもっと貢献できるように頑張っていきたいと思います。

辻直人(川崎ブレイブサンダース)

「まるでいとこのような関係」と辻はこのチームを表現した 【写真:兼子慎一郎】

「僕らはいとこや親戚のような間柄」

 本当にうれしく思っています。ホッとしたというか。このチームはまとまりがあって、戦う姿勢が練習中からすごかったです。一言で例えると、「いとこ」「親戚」のような。大事な時に集まっていますので。これからはW杯に向けてチームの競争が始まるので、切磋琢磨(せっさたくま)して、もっともっと強い日本代表になれるように頑張っていきたいと思います。

張本天傑(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)

張本は先輩たちとの日々の練習の中で成長を感じていた 【写真:兼子慎一郎】

「先輩たちから色々なことを吸収」

 W杯に出られることが決まって、本当にホッとしていますし。メンバーに入っていた最初の4連敗からここまで来れたのは、自分でも考えられません。僕は日々先輩からいろいろなことを吸収していて、このチームは先生と生徒のような関係だと思っています。練習では(竹内)譲次さんと1対1をしたり、いろいろなアドバイスをもらえたりと、日々成長を感じていました。そしてW杯に向けて、雄太や塁が帰ってくると思うので、しっかり準備して、ゼロからのスタートという気持ちで、練習していきたいと思います。

竹内公輔(栃木ブレックス)

Bリーグでは「もっともっと切磋琢磨していく」と竹内公輔 【写真:兼子慎一郎】

「チームメートを本当に尊敬している」

 ホームゲームでは満員の会場でプレーさせてもらって、アウェーでも中東まで日本のファンに来ていただいて、そういった方々の期待に応えることができて本当にホッとしています。ずっと一緒に頑張ってきたチームメートは、年齢関係なくみんなのことを本当に尊敬しています。それぞれのクラブに戻ったらライバルになりますけど、もっともっと切磋琢磨していきます。世界まで、僕はまだ距離があると思っています。まだまだ時間はあるので、クラブに戻ってみんながレベルアップして、また集まってW杯に向けて頑張っていきたいと思います。

馬場雄大(アルバルク東京)

「W杯で活躍するというのが僕の夢」と語った馬場 【写真:兼子慎一郎】

「W杯の舞台で活躍する」

 4連敗から始まって8連勝でした。塁や雄太の力もあってのことだと思うのですけど、すごくホッとした気持ちが一番強いです。このチームは本当に先輩方がすごく優しく、口数こそ多くはないと思うんですけど、プレーが本当に見本になる方ばかりで。このメンバーだからこそ今の自分があると思いますし、この結果があると思っています。W杯という舞台は、そこで活躍するというのが僕の夢であり、(海外でプレーすることに)つながっていくと思います。

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