W杯出場のバスケ代表に会長がねぎらい 「1年でよくここまで成長してくれた」

スポーツナビ
「FIBAワールドカップ(W杯)」アジア地区予選を勝ち抜き、21年ぶりに自力での本戦出場を決めたバスケットボール男子日本代表は25日に決戦の地、カタール・ドーハから帰国。成田空港で多くのファンに出迎えを受けた後に、W杯出場決定報告記者会見に臨んだ。

 ホテル日航成田で行われた会見では、日本バスケットボール協会の三屋裕子会長、東野智弥技術委員長、そしてフリオ・ラマスヘッドコーチ(HC)をはじめとするスタッフ、選手が登壇。三屋会長の「うれしいことに選手たちがワールドカップの出場権を獲得して帰ってきてくれました」と喜びのあいさつから会見はスタートし、ラマスHCは「W杯の出場権を獲得できて、本当にうれしく思っている」と語った。

三屋会長「選手たちを誇りに思う」

三屋会長をはじめ、W杯の出場権を獲得したスタッフ、選手が登壇 【写真:兼子慎一郎】

 本当にうれしいことに、選手たちがW杯の出場権を見事に獲得して、帰って来てくれた。自力で21年ぶりに出場することを選手たちが見事にかなえてくれた。思い起こせば、昨年の今頃、われわれは4連敗中の真っただ中にいた。試合の途中まではいい流れでいっていても、なかなか結果がつかめない、結果につながらないというもどかしさをわれわれも、そして関係者も、また一番感じていたのが選手たちだっただろう。

 何とか、1次予選敗退だけは避けたい。それはW杯が(東京)五輪につながる大事な大会の一つだったから。1次予選敗退という結果になれば、たぶん五輪はなかっただろうと思うと、今さらながらあの1年前と今を比較すると、本当にこの1年間でよくこんなに逞しく、頼もしく成長してくれた。選手たちを私は誇りに思う。

 また、HCと東野は本当に綱渡りのような気持だったと思う。どうやって結果につなげていくんだろうと。その中で、ニック(・ファジーカス)が帰化してくれたことは、われわれ日本にとっての大きなプレゼントだった。そして八村塁、渡邊雄太というこれからの日本の財産というべき選手が合流してくれたこと。そこから選手たちが自信と誇りを持って戦って、この8連勝につながっているんだと思う。

三屋会長は「『世界で勝つ』ということを目標にした戦いになっていく」と期待を寄せた 【写真:兼子慎一郎】

 篠山キャプテンが書いてくれた「日本一丸」。とてもいい言葉だったと思う。まさに「日本一丸」で勝ち取ったW杯への出場権。でも、これからがスタートだと思っている。明日からはBリーガーとして、チームのために、(日本)バスケットのために頑張ってくれると思います。そして、次に招集した時、今度は世界に向けての戦いがまた始まる。彼らは「世界で勝つ」ということを目標にした戦いになっていくはずだ。

 ぜひ、皆様方もこの結果がすべてではなく、これから新しくスタートを切る彼らを見守り続けていただきたい。W杯の出場権を取れたこと、そして3月の(国際バスケットボール連盟)セントラルミーティングで私の仕事がある。選手たちからしっかりバトンを引き継いだ私ががんばって仕事をしてくる。来年、選手たちを(東京五輪の会場となる)さいたまスーパーアリーナの場に立たせる。これから私自身も頑張りたいと思うので、どうぞこれからも一緒に戦っていただきたい。

ラマスHC「このチームは何よりも大事」

「ファンの皆さんと一緒に勝ち取った結果」と感謝の言葉を述べたラマスHC 【写真:兼子慎一郎】

 W杯の出場権を獲得できて、本当にうれしく思っている。Bリーグ、JBAとタッグを組んで、日本のバスケットボールが成長するために、一緒にやっていこうと声をかけてくれたことは本当にうれしかったし、今はこの結果を受けてもっとうれしく思っている。

 われわれにとってこのチームは何よりも大事で、どんなことよりも第一に考えている。このチームは4連敗の時も我慢して、耐え抜いて、われわれのスタイルを創出したからこそ、ここまでの結果につながったと思う。本当に選手たちには感謝している。

 ファンの方々にも本当に感謝している。日に日にファンが増えていくことを感じていた。これは皆さんと一緒に勝ち取った結果だと思っている。応援ありがとうございました。

(取材協力:バスケットボールキング)
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