バスケ日本、8連勝で悲願のW杯出場! ラマスHC「分岐点は豪州戦」
選手の成長に手応えを感じ、さらに成長できると語ったラマスHC 【小永吉陽子】
試合開始直後から、互いにシュートが決まらず重い展開となる。日本は田中大貴のスティールから竹内譲次がダンクシュートを決めて勢いに乗るかと思われたが、その後もシュートが決まらない展開は続き、日本が15−8とリードして第1Qが終了した。
第2Qに入ると、日本がオフェンスのリズムを取り戻す。馬場雄大のジャンプシュート、辻直人と富樫勇樹の3ポイントシュートで8点を連取。その後も辻と富樫がそれぞれ2本の3ポイントシュートを決めるなど、残り4分20秒の時点で35−17と点差を広げた。中盤以降も比江島慎を中心に攻めこみ、42−25でハーフタイムに突入した。
後半は完全に日本がペースをつかんでいく。第3Q、2−3のゾーンディフェンスを敷くカタールに対して、張本天傑、比江島が3ポイントシュートを決めて、次第にリードを広げていった。日本はリバウンドから速攻のパターンが出るようになり、試合の主導権を握る。
第4Q、アジア予選初出場のベンドラメ礼生がシュートを決めると、勝利をほぼ確実なものにする。この試合でもニック・ファジーカスは20得点、19リバウンドと勝利に大きく貢献。比江島、辻、馬場も2桁得点を挙げる活躍を見せ、勝利に貢献した。
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選手たちに感謝したい
このチームは誰よりも自分にとって大事だし、(この勝利を)うれしく思う。最初の4試合で4連敗をしてしまったが、そこで我慢する力を持って、ハードワークをしっかりやれた。このチームを再構築するために我慢した。今はもうW杯の出場権を獲得できたので、彼らに感謝したい。
「再構築」という言葉を使ったが、選手たちともう1回話をして、何をやらないといけないのか、我慢する、忍耐を持って、という話をした。勝てるということは誰も保証してくれないので、確信を持って仕事をやることがとても大事。もちろん、ニックの加入はコート上ですごく力になってくれたと思う。ターニングポイントとなったのは本当に(4連敗後に対戦した格上の)オーストラリア戦だと思う。そこで勝てたことが言葉で表せないくらいすごいことで、われわれがトップチームに勝てたということは、もっと上を目指せるのでないかという考えを持てた試合でもある。
その次のWindowでアウェーのカザフスタン戦で勝てたことも自信になった。この代表にとって、あの試合も重要な試合だった。それは渡邊雄太と八村塁が初めてスタートに名前を連ねて出場したからだ。もう1つのビッグなターニングポイントと言えば、先日のイラン戦。オフェンス面では本当にエクセレントな出来だった。難しい試合を重ねてきて、今日の試合ももちろん難しかったし、勝てたことを本当に誇りに思う。
五輪出場権にも近づいた
オーストラリアに勝てたことで、自らに自信が持てるようになった。カザフスタン戦はディフェンスで勝ち切ったと思うし、カタール戦にしろ、カザフスタン戦にしろ、良いオフェンスはできていなかったが、冷静にしっかりチャンスを待って戦えた。富山でのカタール戦とカザフスタン戦も、以前ならば難しい試合運びになっていたかもしれない。イラン戦もそう。アウェーで異様な雰囲気の中であれだけ戦えたのは本当にすごい。
――W杯でどれくらいやれるか?
今のアジアではオーストラリアがトップで、その次のグループがニュージーランド、中国、韓国、イラン。われわれはその次のグループだったが、ようやく今は第2グループに上がって、それを維持している状態だ。オーストラリアはフルメンバーで来たら間違いなく次のW杯でベスト4に入る力を持っていると思う。われわれとしては第2グループでレベルを保てるようにしていきたいし、コートでやれることを証明しないといけない。
今回のW杯の出場権を獲得できたことで、次の五輪の出場権に近づいたと思うし、この世代にとって大事なことだと思う。W杯、五輪に出て、そういったトップクラスの中で競争できれば、自ずと成長できる。選手たちはすごく大事な段階にいる。そういった意味でも日本のバスケの成長にすごくつながるし、チームとしてもっと成長できる思う。
(取材協力:バスケットボールキング)
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