金星ジェイ・ホワイトを待つ苦難の道
飯塚は“狂乱坊主”のまま引退試合へ

ジェイが変わるか、ファンが変わるか

外国人最年少王者となったジェイ・ホワイト
外国人最年少王者となったジェイ・ホワイト【写真:SHUHEI YOKOTA】

 11日の新日本プロレス「THE NEW BEGINNING in OSAKA」大阪・大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)のメインイベントでは、7年前の「レインメーカーショック」を彷彿とさせる外国人最年少王者が誕生。エース・棚橋弘至を破り、26歳のジェイ・ホワイトが新IWGPヘビー級王者となる「スイッチブレードショック」が起きた。


 名実共に認める新日本のエースである棚橋は、12年2.12大阪で行われたIWGP王座V12戦で、海外遠征から凱旋帰国したばかりのオカダ・カズチカに敗れ王座から転落。絶対王者が無名の若手に負けるという衝撃は「レインメーカーショック」と呼ばれ、この一戦をきっかけに両者の立場は逆転した。しかし、昨年夏の「G1 CLIMAX」で3年ぶりに優勝を果たすと、今年の1.4東京ドーム大会ではケニー・オメガから王座を奪取。実に8度目となる戴冠を成し遂げた。


 対するジェイはニュージーランド出身の26歳。15年1月に新日本に入団し、昨年の1.4東京ドームでは、棚橋のIWGPインターコンチネンタル王座に挑戦して敗れるも、1.28札幌ではオメガからIWGP USヘビー級王座を奪取。さらに8月のG1ではオカダ、棚橋から白星を挙げた。10.8両国では棚橋に敗れIWGP挑戦権利証強奪を逃すも、今年の1.4東京ドームではオカダから勝利。トップ勢と肩を並べる存在だ。


 ジェイは序盤から鉄柱、鉄柵を利用し、棚橋の弱点であるヒザを痛めつけると、前哨戦で棚橋をギブアップさせたTTO(裏足4の字固め)で苦しめる。棚橋もテキサスクローバーホールド、スタイルズクラッシュ、スリングブレイド、ドラゴンスープレックスといった大技で反撃。30分過ぎ、ハイフライフローで勝負に出るが、ジェイがこれを受け止めてブレードランナー。3カウントの瞬間、場内からはどよめきと悲鳴が起きた。


 新王者となったジェイだが、これは苦難の道の始まりでもある。7年前、オカダは自ら「レインメーカー」を名乗ると、その名に恥じないスケール感とダイナミックな跳躍力でファンを認めさせ、文字通りの「金の雨を降らせる男」へと変貌していった。今のジェイのヒールファイト、英語でのマイクアピールは、まだ観客の心には響いていない。今後、ベルトを持ったことで、ジェイが変わるのか、それとも、ファンが変わっていくのか。

棚橋復権への道は険しそうだ
棚橋復権への道は険しそうだ【写真:SHUHEI YOKOTA】

 一方、棚橋にとっては、またしても2月の大阪での悪夢。しかも、7年前の脂の乗った35歳の絶対王者時代とは違い、今は満身創痍の42歳。一度王座から転がり落ちれば、再び浮上することは容易ではない。3.8東京・後楽園ホールで開幕する「NEW JAPAN CUP 2019」(NJC)で優勝すればIWGP王座挑戦権を獲得できるが、今年は例年以上に強力なライバルが目白押しだ。

高木裕美

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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