Bリーグ、そして世界で活躍する選手へ 「夢」に近づく権利は誰にでもある

『hangtime』編集部

「プロバスケットボール選手になりたい!」という夢に近づくチャレンジの場として「B.DREAM PROJECT 2019」が開催された 【(C)B.LEAGUE】

 1月10日、11日の両日、BumB(ぶんぶ)東京スポーツ文化館において「B.DREAM PROJECT 2019」が開催された。昨年6月の「B.LEAGUE TRYOUT 2018」がロスター入りを狙う選手の集う場であれば、こちらは“DREAM”の名のごとく、「プロバスケットボール選手になりたい!」という夢に近づくチャレンジの場。応募資格は満22歳以下(2019年3月31日において)の男子で、大学や高校の卒業を控えた選手を中心に約90名が参加した。

 初日は開会式に続き、東頭俊典氏(アースフレンズ東京Z アソシエイトコーチ)によるクリニック。2日目は須田昂太郎(茨城ロボッツ)の講演会と、8分ゲームのスクリメージ(短いゲーム)が実施された。

悔しさをバネにプロの世界へ

2年連続でB.DREAM PROJECTに参加し、その後プロの座を勝ち取った須田昂太郎 【(C)B.LEAGUE】

 B.DREAM PROJECTは、「世界に挑戦する意欲にあふれる若い選手を発掘する」「Bリーグの各クラブが特別指定選手制度を活用して若い選手の育成・強化ができる機会を創出する」のが目的。加えて、「(高体連、中体連、専門学校連盟などを通じて)JBA(日本バスケットボール協会)に登録している子どもたち以外にもたくさんのプレーヤーがいます。また、日本国籍を有しているけれども、日本の学校教育制度以外(米軍基地やアメリカンスクール等)の環境でプレーしている子どもたちもいます。そういう子どもたちは、将来、プロバスケットボール選手になりたいと意識しても、どういうルートで次のステップに進めばいいのかが分からないかもしれません。そこで、トライアウトという形で、誰もがオープンに参加できる機会を作りたいと考えたんです」(Bリーグ強化育成グループ、塚本鋼平)というのがそもそものスタートとなる。

 しかしながら、スキルをアピールするだけでは夢に近づくことはできない。さまざまな出会いを通じて「プロの世界」を知り、「独り善がりでは通用しない」ことを理解してほしいという思いがある。身近な存在となるプロ選手の講演会が組み込まれているのもそのためだ。

 今回登壇した須田は2年連続でB.DREAM PROJECTに参加し、その後、栃木ブレックスの特別指定選手になった。翌シーズンには茨城のロスター入りと順風満帆なようだが、その道のりは険しいものだった。

「子どもの頃からプロになりたいと思っていましたが、高校・大学時代は活躍することができませんでした。大学4年の時、キャプテンに指名されましたがベンチウォーマーのまま。その悔しさをバネにプロの世界に挑み続けました」

「B.DREAM」で打ち破った壁

須田は「人とのつながりを大切にしてほしい」と参加者へ語った 【(C)B.LEAGUE】

 須田はB.DREAM PROJECTに「何かきっかけをつかみたい」と挑んだが、1年目は自分をアピールすることができないまま終了。2年目はその反省から、自分のアピールポイントを明確にしようと、「自分を理解する」よう努めたという。

「うまい選手、身体能力の高い選手はいくらでもいるのがプロの世界。だったら自分はシュート力にディフェンスのインテンシティー、チームメートへの声掛けでアピールしようと決めたんです」。もう1つ、大切にしたのが、「プロになりたいという思いを持ち続けること……ひたむきに取り組む姿勢をアピールしました」

 その結果、周りの見る目が変わり、多くの関係者の後押しを受けてプロ入りを実現した須田。“人とのつながり”を大切にしてほしいとも語ったが、それは自分自身の経験があったから。かつてB.DREAM PROJECTに参加した際、同じように細谷将司(横浜ビー・コルセアーズ)の講演会があり、そこで聞いた話が印象に残っていたのだ。

 午後から行われるスクリメージを前に、参加者たちは須田の言葉に勇気をもらったに違いない。プロ入りへの道のりやプロ入り後の苦労、今なお挑み続ける姿を自分に重ねることができたようだ。

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著者プロフィール

B.LEAGUEを中心に、AKATSUKI FIVE(日本代表)やストリートボールまで、日本のバスケットボールの魅力を、わかりやすい記事とデザイン性の高い誌面でお届けする、新しいバスケットボール専門誌。Issueごとに独自の視点で特集を組み、興味深い企画で構成。

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