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第95回箱根駅伝

なぜ箱根ランナーに“アニオタ”が多い?

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稲田選手は、陸上とアニメをつなぐ架け橋的な存在になることを目的に、店頭で自身が選ぶ「ガルパン」フェアを企画・設営したり、イベントに登壇したりしている
稲田選手は、陸上とアニメをつなぐ架け橋的な存在になることを目的に、店頭で自身が選ぶ「ガルパン」フェアを企画・設営したり、イベントに登壇したりしている【撮影:小野さやか】

 最近、箱根駅伝に注目するファン層に変化があった。それは多くの“アニオタ”(アニメオタク)界隈の人たちが応援するようになったことだ。コースの沿道には、自分と同じアニメを好きだと公言する選手を、アニメフラッグを持って応援する姿が散見される。いまや箱根駅伝は、アニオタの間でも毎年恒例のスポーツの祭典となっている。そんなアニオタの真剣なまなざしを一身に浴びて走り、自らもアニメ好きだと言い続けてきた2人の元箱根駅伝ランナーに、「なぜ箱根駅伝ランナーはアニオタが多いのか」を選手目線で解説してもらった。協力してくれたのは「ガルパン」(ガールズ&パンツァー)好きのコトブキヤ・稲田翔威(順天堂大OB)、「アリア」好きのGMOアスリーツ・下田裕太(青山学院大OB)だ。アニメ好きのランナーならではの考えが詰まった内容になっているので、ぜひご一読を!

アニメ好きを公言する箱根駅伝ランナー急増中

毎年多くの人が訪れる箱根駅伝。近年、その沿道に変化が見られている
毎年多くの人が訪れる箱根駅伝。近年、その沿道に変化が見られている【写真:日本スポーツプレス協会/アフロスポーツ】

 ここ5〜6年の間に、「アニメ好き」だと公言する箱根駅伝ランナーが増えた。これは「アニオタ」界隈の中では有名な話だ。事実、毎年発行されている箱根駅伝を紹介する雑誌の選手名鑑をのぞいてみると、「好きな女性タレント」の欄に、声優やアニメキャラクターの名前を書いている選手を結構な数で目にする。


 さらに、こんなエピソードがあるのをご存知だろうか?


 アニメ好きが高じて、結果的に陸上部がない会社に部を作ってしまい、大学卒業後は自らが大好きな「ガルパン」(ガールズ&パンツァー)のキャラクターを背負って宣伝ランナーとして走っている選手がいるのだ。その選手の名は、稲田翔威。元順天堂大学陸上部で箱根駅伝ランナーとして活躍し、現在はアニメのフィギュアなどのホビー関連を扱う、コトブキヤの社員として秋葉原店の店頭に立ちながら、フルマラソンに挑戦している。


「大学2年生の時に、箱根の3区を走りました。今は監督ですが、当時コーチだった長門(俊介)さんは僕のアニメ好きを知っていて、裏約束を交わしていました。『1人抜かれるにつき、1体フィギュアを没収する』。結果として、2人に抜かれてしまい、大好きなフィギュアを2体没収されることになりました」


 これで終われば、単なる体育部でよくある選手とコーチとのやりとり。しかし、ひょんなことからこの内容が某新聞に掲載され、ツイッター(SNS)で拡散されてしまったのだ。ここから当人たちの想像を超えるスピードで、あっという間にアニメ好きの人たちの間に広まり、大騒ぎになった。簡単に経緯を記すとこうだ。

木之下潤

1976年生まれ。福岡県出身。大手出版社を経てフリーに。編集者として「年代別トレーニングの教科書」(カンゼン)、「グアルディオラ総論」(ソル・メディア)などの書籍制作に幅広くたずさわり、文筆家としてジュニアを専門に「サッカー×教育」で執筆活動を行う。地域のサッカークラブ・スクールのコンサルタントを務め、地域創生活動を始める。