「強すぎ」ルメール絶賛レイデオロ秋盾V アーモンドアイとの対決は「頭が痛い」
藤沢和雄厩舎、天皇賞6勝目
ルメール騎乗のレイデオロが天皇賞・秋を勝利! 【写真:中原義史】
レイデオロは今回の勝利で通算11戦7勝(海外1戦0勝)、重賞は5勝目。騎乗したルメールはこれで自身2度目の3週連続GI勝利となり、天皇賞は嬉しい初勝利。同馬を管理する藤沢和雄調教師は天皇賞6勝目となった。
藤沢和雄調教師は史上2位、現役トップの天皇賞6勝目 【写真:中原義史】
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後半ハイラップを難なく追走、ラスト3F33秒6!
前半平均ペースながら後半ハイラップという異質な流れを難なく追走したレイデオロ(前列青帽)、ラストは強烈な末脚を繰り出した 【写真:中原義史】
「馬が強すぎる!」
平成最後の秋の盾は、まさにこの言葉に集約されているのだろう。ダービー馬に対してなんとも失礼な話だが、あぁ、レイデオロってやっぱりとんでもなく強い馬なんだな、とサングレーザーの3連単1着固定馬券を握っていた僕としては、頭をガツンとやられたように改めて思い知らされた。
レースはキセキが逃げて、レイデオロはちょうど中団の位置取り。
「レイデオロにとってスタートはすごく大切です。だから、そこはよく注意していました。でも、今日は4番枠スタートで偶数番。(後入れで)ゲートの中であまり待たされなかったから、それが良かったですね。いいスタートでした」
ゲートにやや難のある同馬としては、文句なしの好スタートだったとルメール。逃げ馬不在だっただけに戦前は超スローペースも予想されたが、ミッキーロケット騎乗の和田が「思ったよりも流れた」と語っていたように、蓋を開けてみれば前半の1000mが59秒4。ハイレベルメンバーを思えば、平均ペースといったところか。数字の上ではそうなのだが、実はこれが曲者だった。
文句なしに“強いダービー馬”が帰ってきた! 【写真:中原義史】
そうした絶妙な“末脚殺し”のラップに、難なくついていったのがレイデオロ、ということになる。最後の直線、キセキが後続を突き放しにかかり、これはこのまま押し切りかと思ったのも一瞬、ラスト200mを切ってからのレイデオロの差しは強烈過ぎた。数字こそ上がり最速はサングレーザーの33秒4に譲ったものの、それより2馬身ほど前にいたレイデオロも極限に近い33秒6の脚で上がっている。これでは“マジックマン”モレイラも「手応えが良くて、残り200mでもしかしたら(勝てる)と思ったけど、レイデオロが強かったよ」と完敗を認めるしかなかった。
厩舎の仕事が完ぺきだった
ルメールが一番の勝因に挙げたのは「厩舎の仕事が完ぺき」だったこと 【写真:中原義史】
「パドックでレイデオロを見たとき、完ぺきだと思いました。オールカマーではまだ完ぺきじゃなかったですけど、その後パワーアップして、馬がだんだん良くなっていきました。藤沢先生と厩舎スタッフの仕事が完ぺきでしたね」
その藤沢和厩舎だが、実は1週前追い切りではゴール前で手綱を引いてしまい、さらに下馬するアクシデントもあった。藤沢和調教師自ら「心配した」というくらいだから、その影響を不安視されたが、「最終追い切りが終わった後に馬がすごく良くなった」と、杞憂に終わっていた。これもレイデオロ自身の強さもさることながら、東西きってのトップステーブルの仕上げの賜物だろう。藤沢和厩舎の底力、というものも改めて知る天皇賞・秋だった。