田中大貴「速い展開を意識した」 W杯2次予選 カタール戦後のコメント
田中は「チームに良い影響を与えることをしっかりやろう」と意識 【写真:バスケットボールキング/山口剛生】
日本は富樫勇樹、田中大貴、比江島慎、竹内譲次、ニック・ファジーカスが先発で出場。出だしからファジーカス、比江島がシュートを決めてペースをつかんだ。しかし、第2Qに入るとカタールが繰り出したゾーンディフェンスにリズムを乱され、思うようにシュートが決まらなくなった。さらに富樫が3ポイントシュートを打った後に足を痛め、残り5分30秒に交代。結局、日本は第2Qに11点しか挙げることができず、31−32と1点ビハインドで前半を折り返した。
ハーフタイムでフリオ・ラマスヘッドコーチ(HC)は「新たな試合に臨むよう切り替えていこう」と指示。さらに後半の出だしから、前半のチェンジングディフェンスからマンツーマンディフェンス1本でカタールのオフェンスにプレッシャーをかけた。しかし、今回のエントリーでは富樫の控えとしては唯一のポイントガード(PG)である篠山竜青が3個目のファウルを犯し、ベンチに下がらなければならない状況となった。この危機に、田中が「セットオフェンスよりも周りの選手を走らせよう」と奮起。次第にオフェンスのリズムを取り戻した日本がカタールを圧倒し、最終スコアは85−47で快勝した。日本は次戦、12月3日に行われるカザフスタン戦に臨む。
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田中大貴(アルバルク東京)
内容はそこまで悪くはなかったと思うのですが、相手がゾーンディフェンスをやってきた時にみんなで足が止まってしまって、シュートも単発になりました。後半、PGをする時間帯が多かったのですが、なるべくセットオフェンスを使う前に速い展開を仕掛けられるように意識しました。それで自分たちがリードできたので良かったと思います。
(PGをやった時、A東京でも一緒の馬場雄大・竹内譲次との連係はどのように生かされた?)普段からチームでプレーをしていて、彼らのやりたいプレーは他の選手よりも分かっていたので、2人がやりやすいようなプレーを引き出したいと思っていました。雄大は、自分がボールをプッシュしてパスを出すより、先にボールを前に出せばスピードに乗ってアタックできる選手。そのほうがやりやすいと思ったので、先にボールを渡そうと考えていました。
(比江島、馬場、田中、張本天傑、譲次の時にディフェンスが機能していたと思うが)正直、ディフェンスが機能しているという印象はありませんでした。それよりも次のオフェンスをどうしようかなど、普段やらないことをしなければいけなかったので、そちらの方で頭がいっぱいでした。ただ、富樫がPGよりもサイズアップするので、プレッシャーを強めたり、リバウンドの面でもプラスになると思ったので、自分がチームに良い影響を与えることをしっかりやろうとしていました。
比江島慎(ブリスベン・ブレッツ/オーストラリア)
「緊張はしたが、試合は楽しめた」と振り返った比江島 【写真:バスケットボールキング/山口剛生】
前半も悪くはなかったのですが、シュートが入らなかったり我慢の時間帯が続いて、自分もファウルトラブルでベンチにいる時間帯が多くなりました。しかし、相手が後半にバテてくるのはスカウティングで分かっていましたし、自分もアグレッシブにいこうと決めていたので、前半迷惑かけた分、後半は少し力になれたと思います。でもまだ修正する部分は多々あると思うので、次に向けて準備します。
(久々のフルゲームだったが)久しぶりの試合でしたが、試合勘に関しては特に問題がなかったと思っています。それでもチームに求められているプレーをできなかった部分もありました。でも、前半の流れが悪かった時でもベンチで準備をしていたので、後半はアグレッシブにアシストや点を取ることができて、良い流れができたのでそこに関しては満足しています。
(「試合に飢えている」と言っていたが)少し緊張しましたが、試合自体は楽しめました。でも、自分としてもチームとしても満足した内容ではないので、また次に向けてしっかり準備したいと思います。
馬場雄大(アルバルク東京)
「今までやってきたものを出せた試合」と馬場 【写真:バスケットボールキング/山口剛生】
試合の入りは良かったのですが、第2Qで失速してしまいました。ハーフタイムでラマスHCが「新しいゲームだと思って切り替えろ」と指示されたので、切り替えてできました。第3Q、第4Qのクオリティーは僕たちが今までやってきたことを出せたのではないかと思います。
(特に活躍した第3クォーターの心境は)第3Qの時は、悪い流れを変えたいという一心でプレーしていました。試合を通して自分がボールを持った時に皆さんが歓声をあげてくれて、「頑張らないと」という強い思いはありました。
(今日はダンクを決めてもあまり喜んでいなかったが)自チームのルカ(・パヴィチェヴィッチ)HCに「一流のプレーヤーはワンプレーごとにリアクションを大きくしない」と言われています。そのことを常に心に置いてプレーしていますし、まだ試合も終わっていたわけではなかったので、そのように見えたのだと思います。
(リバウンドと守備面での活躍も光ったが)ディフェンスを頑張ってもボールを取らなければ意味がないので、(八村)塁だったり(渡邊)雄太さんがいない中でリバウンドは1つの鍵になると思っていました。そこで貢献できるのは僕を含めてウイング陣なので、リバウンドは意識していました。
(地元での凱旋試合を終えて)チーム一丸となって勝つ姿を、富山のファンの皆様に見せることができたことが一番良かったと思います。でもまだ(予選は)終わっていないので、次のカザフスタン戦へ向けて切り替えたいと思います。
篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)
篠山は「もっともっとレベルアップできる」と手ごたえを感じた 【写真:バスケットボールキング/山口剛生】
(ハーフタイムのHCからの指示は)「前半の20分と後半の20分は全く別のゲームだと思って、切り替えてやっていきなさい」という指示でした。「まずは第3Qの10分間をしっかり勝とう」というシンプルな言葉もかけてもらいました。
(富樫がけがをしたときの心境は)基本的にはやることは変わらないですし、田中も比江島もPGができるので、皆でカバーできればいいと思いました。こういう時こそ一丸となって戦えればいいと。田中がPGをした時間帯でしっかり突き放すことができたので、チームとしてもしっかりアクシデントにアジャストして対応できたというのは自信になったと思います。
(第2Qにキャプテンとして声をかけた言葉は)とにかく今は我慢してついていこうと。相手のチェンジングディフェンスに対応し切れず、4人でどのようなオフェンスをすればいいのかを共有できていませんでした。すぐに修正できればよかったのですが、そこのコミュニケーションが取れなかったので、シンプルにプレーすることを意識して、「前半はとにかく我慢だね」とは声をかけていました。
(カザフスタン戦への課題は)試合の入りの部分が重要だと思います。今日も序盤リードして入りましたけれど、インテンシティーの部分や、カタールがスローダウンを意識してやってきたので、そこに少し付き合ってしまった前半でした。今日の第3Qのディフェンスができれば、もっともっとレベルアップできるのではないかと思います。
(取材協力:バスケットボールキング)
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