「強すぎ」ルメール絶賛レイデオロ秋盾V アーモンドアイとの対決は「頭が痛い」

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レイデオロとアーモンドアイ、どっちが強い?

この日の来場者は前年比150%増、10万人に迫る大観衆に応えるルメールとレイデオロ 【写真:中原義史】

 秋の王道GI戦線はダービー馬の勝利で幕を開けたが、これは単なる復活Vではなく、恐ろしいまでの力を見せ付けての独壇場。藤沢和調教師が「ダービーが速い時計ではなかったので、どうかと思っていたが……」と心情を打ち明けたように、昨年のジャパンカップこそキタサンブラックに先着する2着と力を見せたが、その後の成績が物足りなかった。ともすれば、真の実力に疑問符がつきかかっていたところでの、この完勝だ。キタサンブラックがターフを去った後、宙ぶらりんになっていた古馬の主役の座は、レイデオロに渡ったと言っていい。

年内はあと1戦が濃厚、次はJCか有馬記念か 【写真:中原義史】

 藤沢和調教師によれば、オーナーサイドが来年も現役続行を希望しているため、ダメージを残さないためにも年内はあと1戦、が濃厚だという。ジャパンカップか有馬記念か、それはオーナーとよく相談してからということだが、東京競馬場での強さや距離適性を考えると、ジャパンカップが有力だろうか。となると、三冠牝馬アーモンドアイとの直接対決の可能性も高くなる。次のJCでなくとも、今後激突の機会は巡ってくるだろうが、競馬ファンが今一番見たい対決はこの2頭で間違いない。単純な疑問として、どちらが強いのか?

 困ったのは両馬の主戦ルメールだ。この時ばかりは一瞬言葉に詰まり、そして言葉を選びながらこう答えた。

「……難しい質問ですね(苦笑)。アーモンドアイは特別な馬ですし、レイデオロも強い馬です。追い出してからの反応という点ではレイデオロはそんなに早くなくて、アーモンドアイの方が早いんですけど、でもどちらも素晴らしい馬です。頭が痛いです(笑)」

ルメールが狙うGI年間最多勝&年間200勝

3週連続GI優勝、年間最多タイのGI・6勝目……まだまだルメールの快進撃は止まらない 【写真:中原義史】

 体が2つほしい、が正直なところだろうが、これだけ贅沢な悩みができるのも、ルメール自身が絶好調だからこそ。今回の勝利で早くもJRA・GIレース年間最多勝タイの6勝目となり、新記録へ王手をかけた。

「GI6勝はすごくラッキーだと思いますし、みんないい馬です。僕の調子もとてもいいですし、悪い時期は忘れました(笑)。調子がいいからリラックスして乗れますし、調教師からのプレッシャーもない(笑)。こういうことが全部うまく行って勝つことができているので、年間200勝を目指したいですし、これからも全てのレースで頑張っていきたいです」

 2018年10月は間違いなくルメールとともにあった1カ月だった。今年も残り2カ月、レイデオロ、アーモンドアイ、フィエールマン、またマイル戦線のモズアスコットらとともに、ルメールの快進撃はまだまだ止まらないか。馬券を買う側からしても、今日も最終レースまできっちり勝ち切り5勝を挙げていたように、神様・仏様・ルメール様にはしばらくは逆らわない方が良さそうだ。

(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)

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