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初陣快勝の裏に「いぶし銀」の30代トリオ
森保ジャパンの若手を輝かせた名助演たち

中島、南野、堂安らの躍動を陰で支えたのは……

コスタリカ戦(3−0)で目立ったのは若手アタッカーだったが、その陰には青山らの献身があった
コスタリカ戦(3−0)で目立ったのは若手アタッカーだったが、その陰には青山らの献身があった【写真:西村尚己/アフロスポーツ】

 新生日本代表の船出となったコスタリカ戦で多くの視線を集めたのは、2列目に並んだ3人だった。


 中島翔哉、南野拓実、堂安律。ワールドカップ・ロシア大会への出場はならなかったが、いずれもヨーロッパのトップシーンで研鑽(けんさん)を積む20代前半の若者たちだ。


 堂安は左足ひとつで相手の逆を取って攻撃に違いを生み出し、南野はチーム最多となる5本のシュートを放って貪欲にゴールを目指した。中島は……もはや多くの言葉を必要としないだろう。ドリブル、フェイント、シュート、パスと、どれを取っても、そのプレーにはサッカーの楽しさが詰まっていた。彼らの臆することなくハツラツとプレーする姿に、日本代表が新しい時代に突入したことを感じさせたのは間違いない。


 しかし、彼らが輝きを放てば放つほど、いぶし銀のようなプレーで存在価値を示した男たちがいる。


 青山敏弘、小林悠、槙野智章。いずれも30の峠を越え、ベテランと呼ばれる年齢に差し掛かった選手たちである。

さりげなくチームを気遣ったキャプテン

森保監督の元教え子として主将を任され、チームをまとめた青山(右端)
森保監督の元教え子として主将を任され、チームをまとめた青山(右端)【写真は共同】

 森保一監督からキャプテンマークを託された青山は、いるべきところにポジションを取り、味方のパスの逃げ場となった。さりげないパスで攻撃の道筋を立てると、同じくらいのさりげなさで周囲にアドバイスを送る。左腕に巻かれた赤いキャプテンマークにも違和感はなく、指揮官が全幅の信頼を寄せるリーダーにふさわしい振る舞いだった。


 青山が見せた、周りを気遣うプレーと的確なポジショニング。その恩恵を最も受けたのは、ボランチとしてコンビを組んだ遠藤航だったに違いない。


 この日の遠藤は持ち前のボール奪取や力強い縦パスを披露しただけでなく、広範囲に動いて前線にも顔を出した。その最たる例が、中島のスルーパスを受けて南野のゴールをアシストした後半21分の場面だが、遠藤が自由に攻撃に参加できたのも、青山がしっかりとカバーしていたからだ。「(青山が)バランスを見てくれているのは分かっていた。安心感があるし、関係性はよかったと思う」とは、遠藤の青山評だ。


 中盤を安定させた青山は、2列目の選手たちに優しいボールを送り続けた。その様子は「後ろのことは気にせず、自由にやってこい」とでも言っているかのようだった。


「リズムは前が勝手に作ってくれたので、後ろはどう関わっていこうかなって思いながらやっていた。サポートはしていたけれど、彼らは自分たちで行けちゃうんでね」


 2列目のアタッカーたちが見せた期待通りのパフォーマンスに目を細めた青山は、自身とチームの課題についても触れた。


「前に入ったときのスピードアップは良かったと思うので、そこまでのビルドアップをもう少しうまくやりたい。前が楽しみなぶん、後ろが完成すれば、前がもっと強烈になってくると思う」


 もっとも、チームは9月3日に初めて集合したばかり。しかも、北海道での震災の影響で6日の練習がキャンセルとなり、翌日に予定されていたチリとの親善試合も中止になったところなのだ。準備期間の短さを考えれば、そこまで仕上げるのは難しい。青山が指摘した課題は、10月のパナマ戦、ウルグアイ戦でのテーマになる。

飯尾篤史
飯尾篤史

東京都生まれ。明治大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身し、国内外のサッカーシーンを取材する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある。

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