“変態王子”なだけじゃないゴールダスト 東京03豊本のプロレスあれこれ(42)

東京03 豊本明長

「アメトーーク!」のWWE芸人IIでは、ゴールダスト選手のコスプレで出演しました。ちなみにこちらは僕じゃありません。ホンモノですよ 【(C)2018 WWE Inc All Rights Reserved】

 先日、テレビ朝日「アメトーーク!」にて「WWE芸人II」が放送されました。

 僕も出演させて頂きました。

 番組には好きな選手のコスプレをして出演するのですが、その事前打ち合わせで、スタッフさんから「誰の格好しますか?」と。

 僕は迷わず「ゴールダストやりたいですねー」と答えました。

 スタッフさんがメモしている用紙には第1候補、第2候補と第3候補と枠が書かれていました。おそらく他の出演者と希望が被った場合の保険なんでしょうね。

「ゴールダストがダメだったらどうしようかなぁ」と考えていたら、スタッフさんが「分かりました。ありがとうございます」と終了。

 あれ? 第2候補は聞かないのですか?

……あ、誰とも被らないのか!?

 多少複雑な気持ちにはなりましたが、WWEにはスターが沢山います。みんながゴールダストに殺到するとは思えません。

耳までしっかりペイントしました

日によってペイントの模様が違ったりして、もはやアートです。あ、こちらも本物ですよ! 【(C)2018 WWE Inc All Rights Reserved】

 そんな風に思いながら収録の楽屋でゴールダストのペイントを自分でしていると、「ゴールダスト好きなの?」「ゴールダストって(笑)」などと言われましたけど、好きなレスラーですし、いや、考えたらWWEのキャラクターの中でゴールダストが1番好きといっても過言じゃないかも知れません。

 そもそも僕はペイントレスラーや怪奇派が好きです。

 中でもゴールダストのペイントは素晴らしいと思っています。

 ゴールダストというレスラー登場以前のペイントレスラーは、顔だけにペイントをするのが普通でした。

 しかしゴールダストは顔だけでなく、おでこを越えて頭の方、下は首の方、耳まで塗っていて面積が広い。しかもただ塗ればいいというわけでなくデザイン性がめちゃくちゃ高い!

 その日によってペイントの模様が違ったり、もはやアートです。

 ちなみに余談ですが、「アメトーーク!」の時の僕のペイントも耳までちゃんと塗っています。

実は血筋も素晴らしい選手なんです

新日本に参戦しているCody選手は実の弟です 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 キャリアも多少出入りはあるものの、20年近くWWEのリングで戦うゴールダストはジ・アンダーテイカーにも劣らない怪奇派のスーパースターだと思います。

 これだけ長くWWEに存在してるという事は素晴らしい選手なんですよね。

 父親はダスティ・ローデスというレジェンドレスラー。“アメリカン・ドリーム”という貧乏な配管工の息子からのし上がったというキャラクターで米国の数々のテリトリーで活躍。

 そもそもの血筋が違います。

 ちなみに弟は、現在新日本プロレスなどでも活躍するCody(※異母兄弟に当たります)。一時はWWEで銀色を基調にしたペイントをして、「スターダスト」というキャラクターになり、ゴールダストと兄弟タッグを組んでいたりしました。

 ゴールダストは見た目でも分かる通り独特の個性を持ち、WWEマットでも唯一無二の存在。

 使う技ももちろん、必殺技のファイナルカットも独特の技ですが、何より、ひざまづいてからの地獄突きがかっこいい! 他の人が真似してもおかしくないくらいカッコいいです。

 さらに技だけじゃないです。

 相手選手の入場をリング上で待つ時。普通は体を軽く動かしたり、コーナーに上って相手が出てくる所を睨んでいたりするのですが、ゴールダストはしゃがんでいる。

 まぁ分かりやすく言えば剣道の“蹲踞(そんきょ)”の姿勢みたいな体勢なんですけど、これもまた独創的でかっこいい。

キャラクターには細かい設定も

 レスラーのキャラクターにおいて、怪力とかマスクマンとかヒーローとか、単純で分かりやすいのが多い。

 しかしWWEは様々なキャラクターが多く存在するので分かりにくいキャラも存在します。

 番組では細かく言えなかった部分ですけど、ゴールダストは単に“変態王子”というキャラクターではなく、元々は自分の性が男なのか女なのか分からないという設定と、ハリウッドに憧れている設定とが混在しているという非常にややこしいキャラクターでした。

 それが、いろいろとあって、“コスプレマニアの変態王子”というキャラクターになっていきました。

 ゴールダストはコミカルで面白いストーリーが多いですし、見た目が異質なので色物に見られがちですが、真面目な試合でも面白い試合も魅せられる実力者なんです。

 こういった職人的な選手がいるからスターが輝くんです。

 次回のWWE大好き芸人があるなら、またゴールダストで出たいです。
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著者プロフィール

プロダクション人力舎所属のお笑いトリオ「東京03」のメンバー。「特技:プロレス観戦」というほどのプロレス通。FIGHTING TV サムライでは「速報!バトル☆メン」の水曜司会も担当している

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