伝説のプロレスゲームが復活!? 東京03豊本のプロレスあれこれ(40)

東京03 豊本明長

名作プロレスゲーム「ファイヤープロレスリング」の新作が8月に登場! 新作には新日本の選手も多数出場する 【写真:SHUHEI YOKOTA】

「ファイヤープロレスリング ワールド」が発売されます。

“邪道ロケット”&電流爆破デスマッチでおなじみの団体、ファイヤープロレスではないです。

 ゲームの方です。

 PS4で“あの”ファイプロが8月9日に発売されるんです。

 という事で今回のコラムは名作プロレスゲーム、ファイヤープロレスリングのお話。

革命的なプロレスゲーム

 僕ら世代のゲーム好きでプロレス好きは夢中になったファイプロ。

 最初の発売は1989年にPCエンジンで、その後ハードを変えながら発売をしていったシリーズです。

 ちなみに89年は新日本プロレスが初めて東京ドーム大会「格闘衛星☆闘強導夢」を行った年ですね。日本、米国、ロシアの三つ巴の、まさにワールドな大会でした。

 その昔、プロレスゲームは僕の覚えている限りだと、ファミコンで「タッグチームプロレスリング」というタイトルのソフト、ディスクシステムで「プロレス」というタイトルのソフトが出てました。

 どちらも面白かったですが、ファイプロの衝撃にはかないません。

 このファイヤープロレスリングは、すごく革命的で、従来のプロレスゲームの操作といえば、ボタンを早く押せば技が決まるというシステムで、連打してるだけのゲームが多い中、相手と組み合い腰を落としたタイミングで技をかけるというものでした。

 これが素晴らしいんです。連打だけだと連打が早い子だけが勝つ事になりますし、なにより技ひとつひとつが大切にされて試合に重厚感が出ます。

 さらにはキャラクターの体力のパラメーターがない。これにより体力を減らせば良いという単純なものではなくなります。深追いして逆転される事もありますし、油断するとあっさり決められたりします。

 これは、プロレスの試合の不規則さを見事に表現しています。

16選手の中に「ガスパーズ」も!

ビクトリー武蔵はアントニオ猪木さんを彷彿とさせるキャラクター。なぜかパワーボムが隠し技だという…… 【t.SAKUMA】

 そして、システムの改革もさることながら、本当にプロレスへのこだわりが感じられます。

 ゲーム内では実際の選手に似た見た目のキャラクターが16選手登場します。

 サンダー龍は天龍源一郎
 ハリケーン力丸は長州力
 パイレーツ1号2号がガスパーズ

という具合。

「ガスパーズを16選手の中に入れるんだったらもっとほかにいるだろ?」という人もいるかも知れませんが、まぁ僕的にはうれしいチョイス。

 選手もよければ技も良い!

 例えば、ビクトリー武蔵というキャラクター。

 明らかにアントニオ猪木さんを彷彿(ほうふつ)とさせるキャラクターで延髄斬りも卍固めも繰り出す事ができます。

 それだけではなく、選手それぞれに隠し技というのがあります。

 説明書に載っていない、裏技として繰り出すことができるんですが、ビクトリー武蔵の隠し技がパワーボム!

「猪木がパワーボム?」となるでしょうけど、これは、猪木vs.モンスターマンの異種格闘技戦で猪木さんが繰り出したパワーボムです。

 そこをピックアップする遊び心とマニアックさ。素晴らしい。

ハンセン=アルゼンチンバックブリーカーの理由は……

スター・バイソンの隠し技がアルゼンチンバックブリーカー。その理由はいろいろ勘ぐってしまいます 【写真:前島康人】

 そうなってくると、スター・バイソン。

 スタン・ハンセンがモチーフのキャラクターなんですが、そのスター・バイソンの隠し技が、アルゼンチンバックブリーカー。

「ブルーノ・サンマルチノとの伝説を匂わしているのかも?」と勘ぐってしまいます。

 まぁこれは、かつてハンセンがラリアットでサンマルチノの首の骨を折ったという伝説です。

 本当はハンセンがショルダーバスターをかけようとしたのを失敗したのか、中途半端なボディスラムの形になってしまい、サンマルチノの頸椎を負傷させてしまったという事らしいですが。

 ただ昔は情報もいろいろ飛び交い、ハンセンのラリアットがすごいという事になって伝わってました。その関係性を踏まえて、サンマルチノの必殺技である「アルゼンチンバックブリーカーなのか!?」と。

ボディペイントはジャイアント・キマラ専用!?

 さまざまなファイプロのプロレスへのこだわりはこれに留まらず、シリーズを重ねていく度に増していきます。

 それが分かるのがエディットモード。

 オリジナルで選手が作れる機能です。

 さまざまなパーツがあり、顔はこれで、身体はこれで、コスチュームはこれで、色はこれなどといった具合に自由にパーツを組み合わせて選手を作るのですが、明らかにこのパーツはこの選手しか使わないだろというものもありました。

 体のパーツを見ていると体にペイントをしてるパーツが出てきます。

 そう、ジャイアント・キマラを作れるんです!

 キマラは体にペイントをしてます。こんな選手他にいないんです。

 つまりはキマラを作るためだけのパーツ。

 エディットを駆使すれば全選手を作る事ができるんじゃないかと思わせるぐらいの勢いです。

 そんなプロレス好きの気持ちを満たしてくれるファイプロ。

 やるしかないじゃないですか!
【お知らせ】
two−man talk vol.4〜プロレストーク編〜
というライブが開催されます。
日時:8月7日(火)
場所:阿佐ヶ谷ロフトA
出演:東京03豊本明長、ゆってぃ

なぜ2人はプロレスが好きなのか?
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著者プロフィール

プロダクション人力舎所属のお笑いトリオ「東京03」のメンバー。「特技:プロレス観戦」というほどのプロレス通。FIGHTING TV サムライでは「速報!バトル☆メン」の水曜司会も担当している

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