“仮面貴族”の入場曲は失恋ソング!? 東京03豊本のプロレスあれこれ(37)

東京03 豊本明長

ミル・マスカラスの入場曲である『スカイハイ』。イメージ通りの素晴らしいメロディですが、実は…… 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 1974年国際プロレスで“スーパースター”ビリー・グラハムの入場の際に『ジーザス・クライスト・スーパースター』を流したのが日本のプロレスの入場曲の最初と言われています。

“スーパースター”の異名を持つビリー・グラハムに相応しい曲として国際プロレスにいたマイティ井上選手が選んだみたいです。

 そんな中で、入場曲の重要性が最も感じさせたのがご存知ミル・マスカラスです。

 ジグソーの『スカイハイ』が流れる中、入場してくるマスカラス。『スカイハイ』というだけあり空中殺法を連想させる曲ですし、華やかさもある。『スカイハイ』が会場にかかるだけで「マスカラスが来る!」と条件反射的に興奮してしまいますし、いざ姿を現したら、ファンは興奮の最高潮を迎えます。

 そこから入場曲はプロレスの演出の1つとして今もなお、現代に受け継がれています。

ブロディらしい『移民の歌』だけど、実は……

スタン・ハンセンの『サンライズ』は全日本プロレスの音楽好きプロデューサーが選手のイメージに合わせて流したようです 【(C)2018 WWE Inc All Rights Reserved】

 全日本プロレスは音楽好きのプロデューサーが選手のイメージに合わせてテーマ曲として選び流していました。

ブルーザー・ブロディの『移民の歌』
スタン・ハンセンの『サンライズ』
ザ・ロード・ウォリアーズの『アイアンマン』
などなど海外のロックスターたちの曲を使用していました。そしてそれがしっくりくる!

 ただいかんせん、英語の歌詞ですから意味をくみ取ると、若干不都合もありました。

“キングコング”の異名を持つ、荒々しいファイトスタイルのブロディの入場曲はレッド・ツェッペリンの『移民の歌』。パワフルで疾走感もあり、雄叫びのようなホーンセクションの音にこれから始まる戦いのすごさを感じさせてくれてすごく好きです。

 では、歌詞の意味は何でしょうか?

 ざっくり言うと北欧のバイキングが、アメリカ大陸に移民していく内容。ここまではいいんですけど、米国に攻めていくというより、最終的には戦いをやめて平和に暮らそうと歌っています。

 逆!逆!

マイティ井上選手は『四つのお願い』

マイティ井上さんの入場曲はちあきなおみさんの『四つのお願い』。このギャップ!!! 【t.SAKUMA】

“仮面貴族”マスカラスが颯爽(さっそう)と入場している中、聞こえてくる『スカイハイ』の歌詞はどうでしょうか?

「僕の想いは空高く飛んでいく(You've blown it all sky high)」……。好きな人に振られて嘆いています。いわゆる失恋ソングです。

“仮面貴族”がふられてます。

 曲調と雰囲気だけで選んだ大惨事!

“スーパースター”ビリー・グラハムの『ジーザス・クライスト・スーパースター』はインストの曲。つまり歌詞はない曲なんですが、ロックミュージカルで演奏される時は歌詞が付いてます。

 中身はキリストとユダの関係の重めの内容となっています。まぁつまりは、これに関してはスーパースターっていうつながりってだけなんでしょうけどね。

 ちなみに、そんな曲を選んだマイティ井上選手の入場曲はちあきなおみの『四つのお願い』です。

 歌詞を見ると、

一つ やさしく 愛して
二つ わがまま 言わせて
三つ さみしく させないで
四つ 誰にも 秘密にしてネ

“テクニカル・ソルジャー”と呼ばれたマイティ井上選手の曲は、とんでもない歌詞でした!
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著者プロフィール

プロダクション人力舎所属のお笑いトリオ「東京03」のメンバー。「特技:プロレス観戦」というほどのプロレス通。FIGHTING TV サムライでは「速報!バトル☆メン」の水曜司会も担当している

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